新型コロナウイルスの影響で、数か月にわたり品薄だったマスク。しかし2020年6月現在、ドラッグストアには在庫が戻り、通販サイトなどでは値崩れまで起きている。
東京・新大久保では以前から箱入りマスクが販売され、その後値下がりした。今も至る所でマスクが大量に売られているという投稿が、ツイッターで散見される。J-CASTトレンドは、6月16日に現地で販売状況を調査した。
日本製が出回り始めたらもっと安くする
まず目に入ったのが、JR新大久保駅を出て少し歩いたところにあるアイドルグッズ販売店だ。店頭に、大量のマスクが並んでいる。一番安いもので、50枚税抜き1454円だった。店員に取材すると、もともと1・5倍の価格だったと話した。在庫過剰のため、4月下旬から値下げした。売れ行きを聞くと「あまり売れませんね。まだ裏に在庫があります」と明かした。
隣のコスメショップでは、50枚1453円だった。1軒目と1円違いだ。競い合っているのだろうか。元の値札の上からテープを貼り、値下げ価格を上書きしているようだ。
さらに進むと、あちこちにマスクが並んでいる。K-POPグッズの店、韓国コスメ店、韓国料理店でも売られていた。価格は、50枚で1500円前後が多かった。
衣料品や雑貨を販売する店にも、箱マスクがあった。取材に応じた店員は、「4月末から値下げしたけど、今は売れないね」と肩を落とす。数種類ある品の中で、50枚・税抜き1300円が最も安い。商品はいずれも中国製で、もとは2倍程の値段だったという。
「日本製のマスクがもっと出回り始めたら、さらに値下げしようと思っています」
「イスラム横丁」で最安値を見つけた
スパイスやコメをはじめ、世界各地の食品を扱う店にもマスクはあった。50枚税抜き1380円。店員は「3800円から4000円で売っていましたが、今は仕入れ値とほとんど変わらない価格です」と悲しそうな表情だ。中国とベトナムから仕入れたもの。ハンカチで、マスクの箱のホコリを拭き取っていたのが若干気になったが、在庫は店頭にある分だけだと話した。
新大久保駅近くの「イスラム横丁」では、記者が調べた限り50枚900円で販売する店が2軒あった。ある店では外に箱マスクが大量に並べられていた。食料品店で、さまざまな食材と真っ白な箱の組み合わせは、異色の光景だった。
店の人に、なぜこんなに安いのか尋ねた。答えは、
「だって、たくさんあるからね」
他店と比較して安値のためか、「たくさん売れてる」とのことだった。