「誰が見ても高い確率で再現可能な音楽」を記録
1000年頃、イタリアのグイード・ダレッツォという修道士が楽譜の原型となるものを発明しました。もちろん、それ以前の記譜法を参考にしたはずですが、グイードの楽譜は、それらとは一線を画し、「誰が見ても高い確率で再現可能な音楽」を記録することができたのでした。おそらく、それまで主に口伝などで伝えられていた教会の音楽・・聖歌を、この楽譜があれば、独習で勉強することができ、若い修道士たちの教育時間の短縮にもなる、という必要性から生み出されたようです。
次回からは、この「楽譜誕生」までの経緯と、ここで生み出された革命的な「楽譜」がどのように音楽の歴史を変えたかを見ていきたいと思います。
楽譜は、クラシック音楽とよばれる音楽ジャンルが生まれるはるか以前に考案されていたものだったのです。
本田聖嗣