手洗い、アルコール消毒の習慣が広く根付いてきた。
J-CASTトレンドの2020年4月1日付記事「新型コロナ対策でアルコール消毒 あなたはどこまで除菌してますか」で読者調査をした際も、全3776票のうち「手洗いした後に消毒(32.94%/1244票)」が最多得票数だった。ただ皮膚が弱い人、アルコール過敏の人にとっては「アルコール消毒」がつらく感じられるとの声が出ている。
手の皮が剥けてヒリヒリ、ひび割れ
アルコール消毒をすると「確実に皮膚が荒れるため、ずっとしていない」という大阪府在住の男性に、ツイッターを通して取材した。消毒によって手の皮が剥けてヒリヒリ痛んだり、水疱ができたりするという。昨今、大抵の店がドア前にアルコール消毒液を設置している現状に触れ、胸の内をこう明かした。
「客の少ない店に入る時は特に店員の視線が気になります。店員の気持ちも十分わかるのですが、最近はそういう店に入るのをためらってしまいます。アルコール消毒によってコロナ感染が少しでも抑えられているのであれば、良いことだと思っていますが」
記者の同僚もアルコール消毒に悩む一人だ。もともと肌が弱いが、コロナ感染が心配で「自宅マンションや会社の出入り口にあるアルコール消毒液は欠かさず、複数回使っていた」。しかし4月から手荒れが酷くなってひび割れやかさつきが増え、アルコール消毒液を吹き付けると痛みを感じるようになったという。「使用を少し控えると収まった気がする」そうだ。
せっけんと流水での手洗いは有効
アルコール過敏の人は、どのように手指消毒すればよいか。健栄製薬(大阪市)公式サイト内「消毒薬のQ&A」ページによると、手袋着用を前提として「目にみえる汚れが手袋へ付着していなければ、手袋をアルコール清拭」、「目にみえる汚れが付着していれば、使い捨て」がよい。手袋を着用していない場合はこうだ。
「石けんと流水での手洗いや、ポビドンヨード、クロルヘキシジンおよびベンザルコニウム塩化物などの消毒薬の使用があげられます」
例えばポピドンヨードを含む市販の消毒薬には、「イソジン きず薬」がある。
アルコール消毒はコロナ対策として望ましいが、過敏症でなくともやりすぎは考え物だ。2020年5月28日放送の日本テレビ系のワイドショー「スッキリ」に出演した日本感染症学会指導医の水野泰孝医師は、新型コロナウイルスに触っても感染しない、後から手洗いすれば感染しないことを踏まえ、「消毒ばかりすると手荒れを起こし、その傷から入るリスクが出てくる」と指摘している。