1枠が要注意なワケ
ガジュマル爺 1番人気を本命にしとるわけではないんじゃが、わしの考えは前々から言っておるように強い馬を選んどるわけじゃ。コントレイルは負けなしの4戦4勝じゃ。昨年暮れのGI・ホープフルステークス(中山、2000メートル)に続くGI2勝目を手にした皐月賞では、約3か月半の休み明けにもかかわらず、先に抜け出したサリオスをねじ伏せるように勝ったのが実力じゃ。今度は東京コースじゃが、デビュー2戦目の東京スポーツ杯2歳ステークス(GIII、1800メートル)で後続を5馬身引き離し、従来の2歳コースレコードを1秒4も上回る1分44秒5で圧勝しておる。父、ディープインパクト譲りの瞬発力は、広い東京コースで一段と引き立つわけじゃ。3枠5番の絶好の枠順を引いたから、まずは中団につけて、馬場の真ん中よりやや内側を堂々と突き抜けてくるはずじゃ。皐月賞のように外には行かんはずじゃから、カスヨが説明したとおり、コントレイルも内を突いてくるはずじゃ。
カス丸 2強が本命じゃ、何の予想にもなんないじぇい。2強を負かす馬、去年のロジャーバローズのような馬はいないきゃすう?
カスヨ 去年はロジャーバローズのおかげでいい思いをさせてもらったからいうけど、さっきも言ったように最近のダービーはね、馬場の影響もあって1枠1番の馬が活躍する傾向があるのよ。ロジャーバローズも最内だったわね。JRAのビデオを見ればわかるんだけど、スタートゲートの内2枠分空けられているのよ。つまりダービーの1枠1番はね、ゲートの一番端じゃないのよ。これはオークスも同じなんだけど、ダービーの後の目黒記念(GII、2500メートル)だと空きがないわよ。カス丸も今度確認したらいいわ。本当に一番端っこの内側から出走したら窮屈で仕様がないけどね。つまり左側に他の馬がいないし、適度なスペースができてるし、スタートしやすいわけ。そして内ラチ(柵)に沿って走れば、馬場の痛んでいない有利なところを走れるため、昨年のロジャーバローズのように人気薄やノーマークの馬がアッと驚く走りをすることが多いのよ。特に、ロジャーバローズは皐月賞組とは未対戦だったから、一発があるとしたらこの馬だわと思い対抗にしたのよ。結果オーライだったんだけど、今年の1枠1番に入ったのはサトノインプレッサ。だから対抗〇はこの馬よ。しかも皐月賞の上位組とは未対戦だし未知の魅力があるわね。また、コントレイルと同じきゅう舎だから、2頭出しの場合は往々にして人気薄が馬券になることも多いのよ。だから一発があるとしたら今年はサトノインプレッサに要注意よ。
カス丸 ふーん、1枠狙いきゃすう。爺の対抗〇は皐月賞をスルーしてダービー狙いに徹したワーケアだじぇい。2強に勝てるきゃすう?
ガジュマル爺 ワーケアは、2歳時はコントレイルが勝ったGI・ホープフルSでコンマ5秒差の3着、ディープインパクト記念弥生賞(GII、中山、2000メートル)をサトノフラッグの2着と好走してきたんじゃ。皐月賞を見送ってゆったりしたローテーションで臨むわけじゃ。しかも東京コースは2戦2勝で、デビュー2戦目のアイビーS(オープン、芝1800メートル)を3馬身差で快勝した脚は強烈じゃった。父ハーツクライは2500メートルの有馬記念(GI、中山)で、あのディープインパクトを負かした馬じゃから、ディープの仔、コントレイルを負かすなら、サリオスよりもこの馬というわけじゃな。
カス丸 皐月賞3着のガロアクリークや弥生賞でディープインパクトのような勝ち方をしたサトノフラッグはダメきゃすう?