KDDI(東京都千代田区)は、渋谷区観光協会(東京都渋谷区)、渋谷未来デザイン(同)を中心とする団体「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」は、渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」を2020年5月19日にオープンした。渋谷の街をバーチャル上で再現した空間で、スマートフォン(スマホ)やパソコン(PC)などのデバイスを通じて自身のアバター(分身)で自由に動き回れる。
オープニングイベントとして、タレントの若槻千夏さん、アーティスト「SEKAI NO OWARI」メンバー・DJ LOVEさんらが人気アニメ「攻殻機動隊」の魅力を語り合う「攻殻機動隊初心者講座と『攻殻機動隊SAC_2045』のココがスゴイ!」がバーチャル渋谷上で開催された。記者も自宅からスマホで参加した。
若槻千夏さん「2045年に行ってみよう!」と提案すると
会場となったバーチャル渋谷のスクランブル交差点には、多くの視聴者がアバターとなって集まった。若槻さんやDJ LOVEさん、ライブストリーミングスタジオ「S/U/P/E/R DOMMUNE」代表でクリエイターの宇川直宏さん、VTuberのアンジュ・カトリーナさんらが特設ステージに姿を現すと(画像2)たくさんのアバターが拍手やジャンプで歓迎。開始から10分時点で若槻さんが「今5000人が見ている」と話すと、宇川さんは、
「このご時世に外出自粛することなく、こうしてスクランブル交差点に集まれるのは画期的」
と一言。新型コロナウイルスの感染リスクや、人との距離感を気にせず集まれる点を喜んだ。
中盤、登壇者たちは特設ステージから降り、現実さながらに作り込まれた町並みを眺めながらバーチャル渋谷内を参加者と一緒に歩いた。ファッションビル「109」前に設置された「攻殻機動隊」の系譜が記されたパネルと、同作に搭乗する人工知能を備えた架空の歩行ロボット「タチコマ」像前にやってくると、若槻さんが「2045年に行ってみよう!」と提案。突如周囲の様子が様変わりし、一瞬にして25年後の「未来の渋谷」に切り替わった。ネットフリックスオリジナルアニメシリーズ「攻殻機動隊SAC_2045」の時代だ。
広告看板が全てAR(拡張現実)になっていたり、上空に「攻殻機動隊」の主人公・草薙素子のポスターが表示されていたり(画像3)と、近未来の様子が凝縮された空間ながら、実在する企業や店舗が変わらず軒を連ねる様子に、一同感動していた。