■ヴィクトリアマイル「カス丸の競馬GI大予想」
アーモンドアイは復活できるか?!

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。先週のNHKマイルカップは9番人気のラウダシオンが勝つという大波乱だったじぇい。カス丸の本命◎レシステンシアは頑張ったけど2着だったきゃすう。今週はまったく同じコースでヴィクトリアマイル(2020年5月17日、東京競馬場、芝1600メートル)があるじぇい。久しぶりに現役最強馬、アーモンドアイが登場するよ。暮れの有馬記念でデビュー以来初めて大敗してから初のレースだじぇい。でも、カスヨ姉さんもガジュマル爺も本命◎に挙げてないきゃすう。なんで?

アーモンドアイの「不運」続き

   カスヨ 爺は単穴▲にしてあるから3番手評価ね。わたしは押さえ△だわ。まあ、アーモンドアイはカス丸が言うように現役最強馬といって間違いないわね。でも馬の評価と実際のレース結果は違ったりするのはよくあることよ。アーモンドアイはね、昨年の暮れ前から不思議なくらい不運続きなのよね。まず有馬記念なんだけど、9着というありえない大敗になった理由は大きく二つあるわね。一つは馬自体の問題。もうひとつは人間さまの側の問題ね。最初の馬のほうだけど、あのとき香港遠征の予定だったのに熱が出たために急きょ取りやめたのよね。それでローテーションが狂って、さあどうしようかとなり、年末の有馬に出そうかとなったんだけど、結果的に調整がうまくいかなかったわけね。馬の熱発というのはよくあることで、熱発しても勝つ馬もいればそうでない馬もいるわ。でもアーモンドアイの場合は、元々体質が弱い、という点があったようね。たとえば、昨年秋の天皇賞を勝った時なんだけど、レース後の表彰式には欠席したのよ。それはレース後、ふらつきが出たものだから大事をとったわけね。レースで全精力を使ってしまうようで、ふらふらになるタイプなのよね。だからレースも使い詰めというのはムリで、間隔をたっぷり空けないと力を出せないタイプなのよ。まあ、底力はすごい馬なんだけど体質が弱い、ということで扱いが難しいわけね。
もうひとつの人間のほうでいうと、計画が狂ったものだから調教も普通でなくなったのは間違いないわね。担当厩舎は当時「大丈夫」を繰り返してたんだけど、急仕上げだったのは否めないわね。それと当日のレースの仕方ね。有馬記念というレースは、中山競馬場を1週半近くするんだけど、1週目のホームストレートに来た時にこの直線の先がゴールだと馬が思ってしまったみたいね。レースのビデオを見るとわかるんだけど、ホームストレートに来た時に、一頭だけラチ(柵)から離れて暴走気味に走っているわ。ほかの馬はもう一周あるのだから、みんなラチに沿って走っているのに。どうもアーモンドアイはこの直線でゴールだと思ったらしくスピードを上げたわけね。それでルメールちゃん(クリストフ・ルメール騎手)が制御したんだけど、前に行こうとするわけ。まあ、馬と騎手とのケンカみたいな状態になったのね。昔、ディープインパクトが菊花賞に出たとき、似たようなシーンがあったわ。菊花賞は京都競馬場を1週半走るんだけど、最初のホームストレートに来た時に、ディープはどんどん前に行こうとしたのね。でもこのとき鞍上のユタカちゃん(武豊騎手)は強引にラチ沿いにディープを誘導したわ。当時の映像を見ると、他の馬の進路妨害ともいえるほど強引に内に入れたのよ。でもそれでディープは落ち着いて走るようになり、最後は勝って見事三冠馬になったのね。有馬の時のアーモンドアイも同じように内に入れて落ち着かせればよかったのに、ルメールちゃんはそのまま行かせて、向こう正面を過ぎても落ち着かず第3コーナーあたりから今度は捲って先頭に立とうとする始末だったわ。これではいくら天下のアーモンドアイといっても最後までもたないわよ。案の定、先頭には出たものの最後の坂でぱったりと止まってしまい、あとは追ってないわね。このときのルメールちゃんの騎乗にファンからは「傲慢な騎乗だ」といった批判が寄せられたわ。そういわれても仕方なかったと思うわね。
まあ、ということが負けた要因だと思うんだけど、問題は今回はどうなのかという点ね。アーモンドアイは3月にドバイに遠征したんだけど、新型コロナの影響でレースが中止になり、そのまま帰ってきたわけね。不運といえば不運なんだけど、ローテーションが狂ってしまったのは、暮れのときと同じだわ。今回は熱を出したとかの病気ではないんだけど、予定が違ってしまったことで本当に本調子なのか疑問符がついても仕方ないのよ。もう一つは鞍上がルメールちゃんで同じなんだけど、有馬記念のときの反省をちゃんとしてるかどうかなのよね。ヴィクトリアマイルのコースはワンターンの直線勝負と分かりやすいから、馬が勘違いすることはないと思うんだけどね。でも過去10年の結果をみると、年初戦の馬は馬券に絡んでいないのよね。でも、アーモンドアイという馬はすでに歴史的な名馬だから過去のデータをことごとく覆してきたこともあり、まあ馬券は外さないと思うけど万全じゃないと思うわけね。普通に走れればあっさり勝ってしまう力はあるんだから。でもこれまでの流れは普通じゃないのよ。不運続きがこれで終わればいいんだけど...。

   カス丸 ふーん、競馬に絶対はないってこときゃすう。で、カスヨさんの本命◎はプリモシーンなわけ?

   カスヨ ヴィクトリアマイルというレースはね、リピーターが多いのよ。プリモシーンは昨年2着よ。それと鞍上が昨年ノームコアで優勝したダミアンちゃん(ダミアン・レ-ン騎手)よ。これで鬼に金棒ってもんよ。プリモシーンはとにかく左回りの1600メートルは強いのよ。昨年2着というほかに関屋記念(2018年)1着、東京新聞杯(2020年)1着、中京記念(2019年)3着、といった塩梅ね。東京競馬場はいまや高速馬場だから持ち時計もよくないとダメなんだけど、プリモは1.30.5だから今回のメンバーの中ではトップクラスなのも心強いわね。

   カス丸 爺の本命◎は昨年の優勝馬、ノームコアだじぇい。今年も勝てるきゃすう?

ノームコアの連覇はあるか

   ガジュマル爺  まあ、アーモンドアイがそういうことじゃから、あとはノームコアしかおらんじゃろ。昨年のこのレースでみせた最後の直線の差し脚を再現すればアーモンドアイにも勝てるくらいじゃ。前走の高松宮記念(GI、中京、1200メートル)は初めての距離で15着と惨敗じゃったが、東京コースと同じ左回りで、1度叩いた(練習した)と考えれば、気にすることでもないじゃろ。東京・芝1600メートルは2戦2勝と相性がバツグンじゃ。昨年と同じように走れば連覇は確実じゃろ。

   カスヨ ノームコアはわたしは消しよ。昨年勝ったとはいえ、前走の高松宮記念では勝ち馬から1.9秒差とあまりにも負けすぎなのよね。これまで連覇を達成したストレイトガールやヴィルシーナも前走は負けていたんだけど勝ち馬からは1秒以内だったわ。それと、ヴィクトリアマイルはね、1600メートルといってもトップクラスのスピードがない馬は勝てないのよ。ストレイトガールなんて、1200メートルのGIを勝っているのよ。スプリントのチャンピオンでもあったわけよ。それなのに、スプリント戦で15着ではそもそもスピードが問題といわれても仕方ないんじゃないかしらね。 わたしの対抗〇はスカーレットカラーよ。さっき言ったように、このレースはスピードが大事。その点、この馬はね、末脚がいいのよ。昨年の府中牝馬ステークス(GII、東京、1800メートル)では、上がり3ハロン(最後の600メートル)33秒2という鬼脚でラッキーライラックを破って勝ち上がるなど、目覚ましい成績を収めているわ。前走の阪神牝馬ステークス(GII、阪神、1600メートル)は桜花賞以来、約2年ぶりのマイル戦で、重め残しの仕上げに見えたんだけど、これも上がり33秒4という最速で2着、といった具合にマイルも十分にこなせるところを見せたわ。

   カス丸 爺の対抗〇はコントラチェックだじぇい。前走はだいぶ負けてしまったきゃすう。

   ガジュマル爺 コントラチェックは2走前のターコイズステークス(GIII、中山、1600メートル)を逃げ切った先行力が魅力なんじゃ。過去のヴィクトリアマイルで、3連単2000万円馬券を演出したミナレット(3着)は逃げ残りだったんじゃ。コントラチェックは、3歳時に牝馬クラシックのオークス(2400メートル)、秋華賞(2000メートル)に出走したほどの馬なんじゃが、じつは勝ち星4勝は1600メートルと1800メートルであげとるんじゃ。東京コースはオークスだけじゃが、中山の1800メートルを押し切れる能力があれば、「東京1600」はこなせていいはずじゃ。前走・中山牝馬ステークス(GIII、中山、1800メートル)で大敗(16着)したんじゃが、今回人気を落とすだろうから、今年の大穴はこの馬できまりというもんじゃな。

荒れを演出する馬は...

   カス丸 過去のヴィクトリアマイルは結構荒れてるじぇい。今年も荒れを演出する馬はいるきゃすう?

   カスヨ わたしはまず、ビーチサンバね。これまでオークスを除けばすべて掲示板に乗る成績だから、どんな相手でも相手なりに走れるという安定感があるわね。東京1600m戦は2歳時のアルテミスステークスと3歳時のクイーンカップで連対しているわ。東京マイルに強いクロフネ産駒という血統も魅力ね。鞍上のユウイチちゃん(福永祐一騎手)はこのレースを勝つと牝馬限定GI完全制覇になり、先日の皐月賞で達成したクラシック完全制覇に続く勲章をあっさりと手にするかもしれないわね。 それと、シャドウディーヴァも穴候補だわ。この馬は、東京コースはフローラステークス(2019年)2着、東京新聞杯(2020年)2着と相性バツグン。4歳年明けからの臨戦過程もリスグラシューと同じステップで、成長力のある同じハーツクライ産駒に期待大よ。最後はシゲルピンクダイヤ。ゲートさえまともに出れば、末脚は強烈なので馬券に絡む可能性が十分ありよ。鞍上もワダちゃん(和田竜二騎手)に戻るのはプラス要素よ。

   ガジュマル爺 わしは押さえ△の1番手がダノンファンタジーじゃ。前走の阪神牝馬ステークスは約半年の休み明けで5着。1番人気を裏切ったが、2歳時にはGI・阪神ジュベナイルフィリーズを制し、桜花賞(GI、阪神)では、優勝したグランアレグリアを抑えて1番人気に押されたほど(結果は4着)。とにかく、マイルは走る馬なんじゃ。次はサウンドキアラ。この馬は1400~1600メートルのレースしか使っておらず、17戦して掲示板(5着以内)を外したのが1回だけと超堅実なんじゃ。その1回が、昨年のこのレースで、7着じゃった。今年に入ってからは、京都金杯(GIII、京都、1600メートル)、京都牝馬ステークス(GIII、京都、1400メートル)、阪神牝馬ステークス(GII、阪神、1600メートル)と重賞3連勝中で絶好調じゃ。昨年から大きく成長したわけじゃな。ジョッキーはその重賞3連勝に導き、ケガから復帰した松山弘平騎手じゃ。こちらも絶好調じゃから期待できるぞ。最後にラヴズオンリーユーじゃな。昨年のオークス(GI、東京、2400メートル)を制し、また秋のエリザベス女王杯(GI、京都、2200メートル)で3着だったように、長い距離のレースばかりを使ってきた馬で、距離が若干心配なんじゃが、GI馬の実力に敬意を表しての△じゃ。マイルのスピードについていければ末脚はしっかりしとるから可能性は十分あるじゃろ。

   カス丸 うーむ、アーモンドアイをどうするかだじぇい。有馬の時のように病気じゃない、けど準備が十分とはいえないきゃすう。でも、普通の力を出せれば牝馬相手で勝機は十分だじぇい。アーモンドアイ本命◎でいくきゃすう。

姉妹サイト