5月も中盤となり、気温が上昇してきた。暑くなるにつれて熱中症とともに心配なのが食中毒だ。
新型コロナウイルスの影響で、飲食店でテイクアウトを利用する人が増えている。料理を受け取ってから暑い中持ち帰って、口に運ぶまでに長い時間が経ったり、食事前の手洗いが不徹底だったりすると、食中毒を引き起こすかもしれない。
清潔な箸で小分けに、持ち帰ったら早く食べる
公益社団法人全日本病院協会の公式サイトによると、そもそも食中毒は、有害な微生物や化学物質を含む飲食物を食べたときに生じる健康被害で、細菌とウイルスが主な原因だ。
細菌にも、卵や食肉に潜むサルモネラ菌や、魚介類やその加工品に潜む腸炎ビブリオ、調理する人の手によって汚染されたおにぎりや弁当などに潜む黄色ブドウ球菌など複数ある。これらの多くは高温多湿な環境で増殖が活発になるため、食べ物は低温で保存することが基本だとしている。
農林水産省は20年5月11日に公式ツイッターで「気温が高くなると、食品に潜んでいる菌が増えやすくなり、食中毒の危険性も高まる」と指摘し、「テイクアウトによる食中毒予防の3原則」を公表、注意を呼びかけている。
3原則とは、「つけない」「ふやさない」「やっつける」で、覚えやすい。「つけない」は、菌を食品に移さないために、食べる前に必ずきれいに手を洗おう、というもの。食品を小皿などに小分けにする際は、清潔な箸やトングを使うよう促している。
「ふやさない」では、菌を増殖させないためにテイクアウトした料理を長時間持ち歩かない。さらに持ち運びの際には保冷バックを利用するようにする。「やっつける」は、家に持ち帰ったらなるべく早めに食べることが望ましいと説明。もし時間を置く場合には、小分けにしてから冷蔵庫で保存するように、とのこと。