ランドセル「機能で選ぶ視点を」と専門家 小学生の8割「重い、体が痛い」と悩む

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   小学生が6年間使い続けるランドセル。しかしその重さや、それによって生じる体の痛みに悩まされている子どもは少なくないようだ。

   「ララちゃんランドセル」を販売する羅羅屋(埼玉県川口市)が全国900人の小学生(男女各450人)とその親を対象に調査し、「ランドセル白書 2020」として発表した「ランドセルの選び方と実態」が指摘している。

  • ランドセル「機能で選ぶ視点を」と専門家
    ランドセル「機能で選ぶ視点を」と専門家
  • ランドセルを使っていて、「ランドセルが重い」または、「体が痛い」と感じる/感じたことはあるか
    ランドセルを使っていて、「ランドセルが重い」または、「体が痛い」と感じる/感じたことはあるか
  • 「ランドセルが重い」または「体が痛い」と感じる/感じたとき、どのような症状があったか
    「ランドセルが重い」または「体が痛い」と感じる/感じたとき、どのような症状があったか
  • ランドセルを使っている子どもから「ランドセルが重い」または「体が痛い」と言われたとき、その「重さ」や「痛み」に対して、何か対処したか
    ランドセルを使っている子どもから「ランドセルが重い」または「体が痛い」と言われたとき、その「重さ」や「痛み」に対して、何か対処したか
  • 子どものためにランドセルを購入した際、どのようなことを重視して選んだか
    子どものためにランドセルを購入した際、どのようなことを重視して選んだか
  • ランドセル「機能で選ぶ視点を」と専門家
  • ランドセルを使っていて、「ランドセルが重い」または、「体が痛い」と感じる/感じたことはあるか
  • 「ランドセルが重い」または「体が痛い」と感じる/感じたとき、どのような症状があったか
  • ランドセルを使っている子どもから「ランドセルが重い」または「体が痛い」と言われたとき、その「重さ」や「痛み」に対して、何か対処したか
  • 子どものためにランドセルを購入した際、どのようなことを重視して選んだか

症状トップ「肩の痛み」、高学年の5人に1人「肩こり」

   調査ではまず「ランドセルが重い、体が痛い」と感じた経験があるかを聞いた。頻度の差はあるが、重い、痛いと感じたことがある小学生は82.6%にのぼった。その743人に、「ランドセルが重い」または「体が痛い」と感じたとき、どんな症状があったかを質問すると(複数回答)、他項目に差をつけて最も多く選ばれたのは「肩の痛み(54.2%)」。高学年に絞ると、20.9%が「肩こり」悩んでいることがわかった。

   では、子どもが「ランドセルの重さ・体の痛み」を訴えたとき、親はどう対処しているのか。子どもから相談を受けた経験のある723人を対象に調査すると、回答の多かった順に「持ち運ぶ荷物をランドセルに全部入れず、他のかばん・バッグなどに分けて持たせるようにさせた(35.1%)」、「家では使わない教科書やノートを、学校に置くようにアドバイスした(23.5%)」となった。ランドセルではなく、荷物の量や持ち運び方を工夫して解決する家庭が多いようだ。

低学年にとっては毎日「苦行」に

   900人に「ランドセル購入時に重視したこと」を聞くと最多回答は、「子どもが好きな色・デザイン・ブランドであること(50.0%)」だった。次点で「ランドセル本体が軽いこと(35.3%)」で、機能や使いやすさよりも見た目に重きを置いている実態が明らかになった。この結果を受け、大正大学の人間学部人間環境学科・白土健教授は、

「脱ゆとり教育など社会的な流れにより、教材量が増加しているため、ランドセル自体の軽量化では効果が薄い。ランドセルの選びかたは見た目や重量だけではなく、機能で選ぶ視点も大切だ」

と解説している。また白土教授が2017年に小学1~3 年生20人が使っているランドセルの重さを測定したところ、結果は最高で9.7キロ、平均は7.7キロとなった。「体重が20キロにも満たない低学年の子どもの通学が、毎日〝苦行〟のようになっている」という。

   香取整形外科(東京都世田谷区)の香取勧院長は「重いランドセルを背負って痛みを感じてしまうと、姿勢に悪影響を及ぼすことが考えられる。肩ベルトの素材やフィット感が改善すれば、子供たちが感じる重さや痛みを軽減することができ、姿勢の改善などメリットがあるかもしれない」とアドバイスする。ランドセルは 6 歳から 12 歳までの長期に渡って使用する点を踏まえ、成長にあわせて機能性を重視したものを選ぶことをすすめている。

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