低学年にとっては毎日「苦行」に
900人に「ランドセル購入時に重視したこと」を聞くと最多回答は、「子どもが好きな色・デザイン・ブランドであること(50.0%)」だった。次点で「ランドセル本体が軽いこと(35.3%)」で、機能や使いやすさよりも見た目に重きを置いている実態が明らかになった。この結果を受け、大正大学の人間学部人間環境学科・白土健教授は、
「脱ゆとり教育など社会的な流れにより、教材量が増加しているため、ランドセル自体の軽量化では効果が薄い。ランドセルの選びかたは見た目や重量だけではなく、機能で選ぶ視点も大切だ」
と解説している。また白土教授が2017年に小学1~3 年生20人が使っているランドセルの重さを測定したところ、結果は最高で9.7キロ、平均は7.7キロとなった。「体重が20キロにも満たない低学年の子どもの通学が、毎日〝苦行〟のようになっている」という。
香取整形外科(東京都世田谷区)の香取勧院長は「重いランドセルを背負って痛みを感じてしまうと、姿勢に悪影響を及ぼすことが考えられる。肩ベルトの素材やフィット感が改善すれば、子供たちが感じる重さや痛みを軽減することができ、姿勢の改善などメリットがあるかもしれない」とアドバイスする。ランドセルは 6 歳から 12 歳までの長期に渡って使用する点を踏まえ、成長にあわせて機能性を重視したものを選ぶことをすすめている。