地震が多発している。ウェザーニュースによると、2020年5月4日から11日にかけて計3回緊急地震速報が発表された。
自然災害で住居に大きな被害が出た場合、避難所での生活が選択肢となる。だが今は、新型コロナウイルスの感染リスクが懸念される。万一の場合、どのような対策が考えられるか。
手指消毒は必須、居住区域では土足厳禁に
20年5月11日朝9時前に茨城県沖で発生した地震では、茨城県水戸市や千葉県旭市で最大震度3を観測した。テレビからは緊急地震速報が鳴り響き、ツイッターには11日朝、「地震大丈夫」「地震警報」「地震の予言」などといったワードがトレンド入りした。多くの人が不安を募らせている。
自然災害では、感染症が心配だ。厚生労働省は公式サイト上で、「災害時における避難所での感染症対策」を公開している。災害時には感染症の拡大リスクが高まり、とくに避難所での衛生状態の維持が重要だとしている。そこで、基本的な手洗いや咳エチケットが大切。しかし、流水で手洗いができない場合も考えられる。その際はアルコールを含んだ手指の消毒薬を使用するよう推奨している。
避難所では他人と共用するトイレも、衛生管理が必要となる。トイレ内で汚染された履物から感染が広まる恐れがあるため、居住区域では土足厳禁。使用前後には便座を拭く、手洗い場とトイレはなるべく近くに設置するなどだ。
状況に応じて「避難所に行かない」も選択肢
一方、新型コロナウイルスの感染が拡大している現在、避難所では「密閉」「密集」「密接」の3つの「密」が不安だ。この点、千葉市が20年5月1日に公開した新型コロナウイルス等感染症を踏まえた避難所開設運営方針で、基本的な考え方として、第一に避難所の過密状態の防止を挙げている。
具体的な対策法は次の通り。災害が発生した際、市側はまず避難場所に収容しきれない状況や安全性から判断し、自宅にとどまる「在宅避難」または親族や友人宅への避難を優先するように周知する、とある。被災者にとっては「避難所に行かない」も、状況によっては選択肢となるわけだ。
避難してきた被災者が車中泊する場合は、エコノミークラス症候群対策として避難所内の情報掲示板に注意喚起のチラシを掲示する。
避難所においては、十分な換気に努め、避難者の居住スペースを可能な範囲で広く確保する。また、飛沫が飛ばないよう、避難者同士の間隔を2メートルほど確保する、としている。もし感染が疑われる避難者を一時的に避難所内に待機させる場合には、可能な限り個室の専用スペースとトイレを確保する。それが難しい場合には、パーテイションで区切るなど工夫する。
避難者も、感染拡大を防ぐ努力が必要なのは言うまでもないだろう。