穴をあけるのはこの馬
カス丸 次は3番手の単穴▲だじぇい。カスヨさんは、ミライヘノツバサだよ。ダイヤモンドステークス(GIII、東京、3400メートル)をビリの16番人気で勝った馬きゃすう。
カスヨ この馬もね、若い時には有望株だったのよ。経歴もちょっと変わっているわね。まず生まれなんだけど、競走馬の多くは北海道生まれが多いんだけど、ミライヘノツバサは青森の牧場生まれね。でも、才能があってクラシック路線に乗り、皐月賞、菊花賞に出ているわ。4歳のときに屈腱炎(脚の腱が発熱したりする病気)を発症して1年半もレースから遠ざかったのね。そして復活したんだけど、若い時のようには勝てず、齢も7歳だし、いよいよ引退の二文字が見えてきたときよ。なんとビリ人気で重賞を勝ったわけ。ドラマのような馬人生だわね。そして今回3歳以来のGI挑戦というわけ。基本的には、もともと力がある馬なのよね。そしてどちらかというと長距離向き。というのも2500メートル以上のレースではしっかり走るのよ。まあ、人気はないだろうし2、3着に入ってきたら馬券的にはとってもおいしいわね。
カス丸 へえー、なんだか応援したくなるきゃすう。爺の単穴▲はユーキャンスマイルだじぇい。
ガジュマル爺 ユーキャンスマイルはまず血統がいいんじゃ。母ムードインディゴは2008年の秋華賞2着馬。その父ダンスインザダークは1996年の菊花賞馬。レースの翌日に屈腱炎を発症してそのまま引退したが、無事ならば、翌年の天皇賞(春)でも人気になっていたはずじゃ。ユーキャンスマイルも、2018年の菊花賞では3着。前走の阪神大賞典(GII、阪神、3000メートル)でも勝利し、長距離砲を証明済みじゃ。それにじゃ、京都コースで7戦2勝、2着2回、3着1回と相性がバツグンなんじゃ。わしの本命・フィエールマンを負かすとしたら、この馬というくらいじゃな。
カス丸 春の天皇賞は穴馬がよく飛び込んでくるじぇい。今年はどんなのがいるきゃすう?
ガジュマル爺 わしはまずミッキースワローじゃな。前走の日経賞(GII、中山、2500メートル)で、わしの対抗〇のモズベッロに勝っておる。2000メートル超のレースでは安定感があって、ここ3戦は掲示板(5着以内)を外しておらん。6歳馬じゃが、タフなうえに切れる脚がある。ただ、跳びが大きいので良馬場だったらいけるじゃろ。それとトーセンカンビーナじゃ。2016年のセレクトセール(当歳馬)で2億4840万円で落札された高額馬じゃな。2戦目の未勝利戦で初勝利したものの、クラシック路線に乗ることはかなわなかった。じゃが、1800メートル、2200メートルと徐々に距離を伸ばすと力を発揮しはじめ、4歳になってようやくオープンクラス入り。実績的には格下でも、秘める能力は相当なものとみておるわい。血統がいいといえば、シルヴァンシャーじゃな。父はディープインパクト。母アゼリは現役時代に米国G1で11勝、2002年には米国年度代表馬に輝いた名牝じゃ。GⅠ初挑戦じゃが、大仕事をやってのける素質は秘めておる。2019年3月までに3連勝した後の休み明けに京都大賞典(GII、京都、2400メートル)で3着。鞍上はミルコ・デムーロ騎手で万全を期しての参戦じゃ。最後にエタリオウじゃな。近走はさえないが、3歳クラッシック(2018年)で日本ダービー4着、菊花賞2着、昨年の日経賞も2着。16戦して2着が7回と、一時は「最強の1勝馬」といわれていたが、大穴をあけるとすれば、昔から言われるように、人気を落とした時の実力馬というわけじゃ。乗り替わりの川田将雅騎手がうまく能力を引き出せば、アッといわせる場面がみられるかも、じゃな。
カスヨ 爺はたくさん挙げたわね。いったい馬券を何頭買うのかしら。わたしの推しはスティッフェリオよ。春の天皇賞といえば、とにもかくにもステイゴールドの子どもたちよ。過去10年で4回も優勝してるのよ。今回はスティッフェリオとエタリオウが産駒ね。スティッフェリオは3年前、菊花賞で14着だったんだけど、不良馬場だから仕方ないわね。まあ、ある程度後ろに対してリードをとって最後の直線を迎えることができれば、十分に残る可能性があるわよ。
カス丸 うーん、フィエールマンが強そうだじぇい。でも休みの長さが気になるきゃすう。ここは相性のいい前哨戦・阪神大賞典を勝ったユーキャンスマイルが本命◎だじぇい。