■天皇賞(春)「カス丸の競馬GI大予想」
  フィエールマンは連覇できるか?

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   カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。コロナ問題はなかなか解決しないじぇい。人間さまは、ついにおウチから外に出ちゃいけないらしいきゃすう。つまんないんじゃないかと思うけど、でも、競馬ファンならおウチにいても十二分に楽しいはずだじぇい。今週はいよいよ春の大舞台、天皇賞(2020年5月3日、京都競馬場、芝3200メートル)だよ。昨年優勝したフィエールマンが勝てるかどうかがレースのポイントだじぇい。昨年はガジュマル爺がフィエールマンを本命◎にして見事当てたじぇい。今年も本命きゃすう。

フィエールマンの不安なところは

    ガジュマル爺 その通りじゃ。フィエールマンの2連覇はもう決まったようなものじゃ。昨年よりも出走する馬の顔ぶれがいまいちじゃから、危なげなく勝つじゃろ。春の天皇賞はGIレースの中で一番距離が長いんじゃ。距離が長いレースで大事な点といえば、血統と騎手の腕じゃ。京都競馬場の外回りコースを1週半するわけで、向こう正面からスタートして、正面のゴール前を通って、向こう正面に回って2週目に入る。そこからじゃ、このレースのポイントは。向こう正面の上り坂を進んで3コーナーを越えてペースが速くなる。3コーナーからは下り坂になっておるんじゃが、そこを一気に駆け下り、その勢いのままにスピードに乗ってゴールを目指すんじゃ。3コーナーからゴールまではほぼ4ハロン(800メートル)じゃ。普通のレースは最後の3ハロン勝負が多いんじゃが、ここは1ハロン長い。ただでさえ3200メートルと長いうえに、最後の4ハロンに耐えられるスピードも必要ときておるから、なみの馬では勝てんわけじゃ。スタミナと、長くいい脚が使えることが求められる。フィエールマンは昨年勝っておるから実績は十分。それと鞍上じゃが、昨年と同じ百戦錬磨のクリストフ・ルメール騎手じゃ。さっき言うたスタミナをできるだけ消耗しないように2周目の3コーナーの坂を駆け上り、下る。馬に負担をかけずに気分よく走らせる、「人馬一体」になれるかどうかじゃが、彼以上の騎手は他に見当たるまい。人馬ともに最高の組み合わせじゃから、負けると予想するほうがおかしいじゃろ。連覇、間違いなしじゃ。

   カス丸 ふーん、そんなに強いの?カスヨ姉さんの本命◎はキセキだじぇい。トライアルの阪神大賞典(GII、阪神、3000メートル)では、しばらくスタートもせず突っ立ったままで大きく出遅れて惨敗だったじぇい。こんなんでフィエールマンに勝てるきゃすう?

   カスヨ たしかにそうだったわね。昨年のフランス・凱旋門賞に出てからは暮れの有馬記念、阪神大賞典といずれも出遅れがあって成績が落ち込んでいるのよね。でもね、有馬記念では4着だったフィエールマンとは同タイムだったのよ。この馬はね、とにかくスタミナでは負けないわね。3歳の時は不良馬場の菊花賞を勝ち抜いて、ジャパンカップや宝塚記念では逃げてレースを引っ張り、いずれも2着に入るスピードも持っているわ。ともかく今度は何回もスタートの練習をしてるようだし、しかも鞍上がユタカちゃん(武豊騎手)になるから大丈夫よ。キタサンブラックで4、5年前には2連覇したこともあるし、いずれも逃げて勝ったんだから、キセキも逃げるのは間違いないからスタートさえ決めれば十分にいけるわよ。それにフィエールマンは有馬記念以来の出走で、まる4か月以上もレースをしてないのよ。いくら調教技術が発達したからといっても、こんなにレース間隔が空いたらカンが狂うというものよ。昨年だって、天皇賞の前には1月にAJCC(GII、中山、2200メートル)で走ってるわ。爺が言うように底力は認めるけど、競馬に絶対という言葉がないように、今回勝つまではどうかしらね。

   カス丸 カスヨさんの対抗〇はダンビュライトだよ。これまた人気薄の馬だけど大丈夫きゃすう?

   カスヨ 何言ってるのよ。カス丸も少しは競馬に詳しくなったと思っていたけど、まだまだね。ダンビュライトはかつてはクラシック候補だった馬よ。ただ、気性が荒くて難しいのよね。だから今回去勢しての初戦なわけ。ともかく能力は1級品なんだから、落ち着きが出て才能が発揮できれば、ここでも十分勝てる可能性があるわ。それに京都に強いのも取り柄なのよ。これまで京都での成績が、4戦して1から4着まで1回ずつ。つまりすべて掲示板(5着内)に乗る成績を残してるのよね。私の中では◎キセキを逆転する可能性もあるわ。

   カス丸 ふーん、爺の対抗〇はモズベッロだよ。どこがいいきゃすう?

   ガジュマル爺 これはいわゆる上がり馬じゃ。急成長した4歳馬じゃ。前哨戦の日経賞(GII、中山、2500メートル)では最終コーナー7番手から差し込んで届かずの2着じゃったが、2走前の日経新春杯(GII、京都、2400メートル)では、中団前めでレースを進めて抜け出すという安定感のあるレース運びで重賞ウイナーの仲間入りを果たしたんじゃ。今度は1枠1番から、前めにつけられれば、期待が膨らむというもんじゃ。父ディープブリランテは2012年の日本ダービー馬じゃから血統的にも魅力があるわい。

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