志賀廣太郎「誤嚥性肺炎」で死去 年間4万人の命奪う、恐ろしさ新型コロナ並み

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   俳優の志賀廣太郎さんが2020年4月20日、誤嚥(ごえん)性肺炎のため71歳で亡くなった。所属事務所が4月30日、公式サイトで発表した。

   昨今は新型コロナウイルス感染症「COVID-19」に注目が集まっているが、誤嚥性肺炎も、特に高齢者には恐ろしい病気だ。厚生労働省の2018(平成30)年「人口動態統計月報年計(概数)」によると、誤嚥性肺炎が原因による同年の死亡者数は3万8462人とある。

  • 画像は志賀廣太郎さん所属事務所の公式サイトのスクリーンショット
    画像は志賀廣太郎さん所属事務所の公式サイトのスクリーンショット
  • 画像は志賀廣太郎さん所属事務所の公式サイトのスクリーンショット

肺炎の典型的な症状がない

   日本呼吸器学会の公式サイトによると、誤嚥性肺炎の特徴は「発熱、咳、膿のような痰」といった肺炎の典型的な症状がなく、なんとなく元気がない、食欲がない、のどがゴロゴロとなる、との症状のみがみられることが多い。嚥下(えんげ)機能障害のために唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に、細菌を気道に誤って吸引してしまい発症する。

   誤嚥予防について、長寿科学振興財団が運営しているウェブサイト「健康長寿ネット」には「食事形態」が重要とある。一般的にはペースト状やゼリー状、ムース状が飲み込みやすい。歯が悪くて十分に噛めなくてもそのまま飲みこめるし、口の中に食べ物が散らばらず1つの塊にまとまるからだ。

   食後は、すぐに横にならない。できれば食後2時間は座位を保つのがよいが、寝たきりの場合は可能なら30度ほど頭を上げておくようにする。さらに誤嚥してしまっても肺炎になりにくいよう、ブラッシングなどで口腔ケアをして細菌を減らしておくことも大切だ。

新型コロナ感染拡大で人工呼吸器不足の懸念

   今日、新型コロナウイルス患者によって病床のひっ迫が懸念されている。そうなると、医療機関は他症状に悩む患者に手が回らなくなる恐れがある。日清医療食品(東京都千代田区)は「昨今のコロナウイルスの感染拡大の中、人工呼吸器の不足も懸念される」として、誤嚥性肺炎の予防の啓蒙動画を4月10日に公開した。

   動画では、肺炎は体力や免疫力が低下している高齢者にとって、命にかかわる病気であるとし、誤嚥性肺炎発生のメカニズムを説明。口の中の筋力が低下した高齢者にとって「ひと口大」や「きざみ食」など従来の「高齢者向け介護食」は、食べ物を飲み込むために「ある程度の塊を作る」作業を難しくさせると指摘し、噛む力・飲み込む力をサポートする食事を紹介している。

姉妹サイト