安倍晋三首相は2020年4月1日、全世帯を対象に再利用できる布マスクを2枚ずつ配布すると表明した。ツイッターを見ると、この施策に対して失笑のような投稿が多い。
首相官邸のサイトによると、マスク供給量は3月に6億枚、4月は7億枚に増えるという。では実際、マスクは出回っているのか。J-CASTトレンドでは4月2日~3日にかけて、全国のドラックストアやスーパーの販売状況を調査した。
51人中45人「マスク見ていない」
まず、公式ツイッターでのアンケート調査の結果だ。24時間限定で回答を募った結果、首都圏を含め、北海道、東北、関西、九州、沖縄と全国各地から集まった。総数は51件。
「4月2日にスーパーやドラッグストアなどでマスクの在庫を見かけたか」という質問に対して、51人中45人が「いいえ」と回答した。回答したのは、北海道、栃木県、香川県、沖縄県など各地のユーザーで、全国的に現在も品薄状態が続いているようだ。
回答者からは「ここ一ヶ月以上見たことないです(熊本市北区)」、「コンビニ、ドラッグストア、スーパーでも見当たりません(神奈川県川崎市)」、「マスクコーナーすら無くなっているお店もありました(宮城県)」といった声が寄せられた。
一方で、マスクを見かけたと回答したユーザーもいた。在庫があったのは、20年3月29日から4月2日にかけてだ。
「コンビニですが、5枚入りの日本製マスクを見かけて購入しました。店員さんによるとたまーに1.2個入荷があるそうです。出会えてラッキーでした(九州南部)」 「3月29日には近くの薬局にマスクの入荷がありました。10時半、袋入りマスク(7枚)30個ほど、箱入りマスク(50枚)2個ほどでした(東京都葛飾区)」 「戎橋筋商店街のダイコクドラッグでマスク箱入り30枚入りを購入出来ました(大阪市中央区)」
また、「洗える黒いマスクなら売っている(福島県)」、「蒸気の出るマスクなら結構最近、見ます。でも高いです(北海道札幌市)」と一般的な使い捨てマスクではないが、売っているとの情報もあった。
ただし「マスクあり」と答えたのは、51人中6人と少数だ。
50枚入りの箱マスクが3500円売られていた
次に、16人にマスクの販売状況を直接取材した結果だ。
「4月2日にドラックストアやスーパーなどでマスクの在庫を見かけたか」という問いに、15人中13人は、「いいえ」と回答した。場所はいずれも東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県と首都圏だ。
「マスクあり」の2人の目撃情報は、東京都新宿区の四ツ谷駅構内にあるコンビニエンスストアと、千代田区の雑居ビルだ。コンビニには、20年3月31日と4月2日に3枚入りの袋マスクが売っていたとのこと。
雑居ビルでは、4月2日に50枚入りの箱マスクが3500円で販売されていたとの回答があった。J-CASTトレンドの記者が同日、実際にそのビルでマスクが販売されていることを確認した。薬局やスーパーではない店で、近づいてみると窓ガラスに「マスクあります」との貼り紙が。中をのぞくと、真っ白な箱に入った50枚入りのマスクが3500円で販売されていた。実は別の目撃談として、渋谷区でも同様に「1箱3500円」のマスクが売られていたとの証言があった。
今回の調査では、マスクが販売されていると答えた人はほとんどいなかった。店頭に十分な数量のマスクが戻ってくるのは、いつの日になるだろうか。