高齢者は危ないから外を出歩かないほうがいい――。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ツイッターにはこういった声が多く出ている。しかし、一般社団法人「日本老年医学会」が2020年3月に公表した「『新型コロナウイルス感染症』高齢者として気をつけたいポイント」では、「動かないこと(生活不活発)」による健康への悪影響が述べられている。
「生活不活発」が感染症の重症化招く
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府は不要不急の外出を自粛するよう呼びかけている。ツイッターには外出している高齢者に対し、
「高齢者の外出が一番危険」
「お年寄りは重症になるリスクが高いから外出禁止ってなんで言わへんのかなぁ。。。と単純に思うんやけど。。。」
「高齢者や基礎疾患のある方は外出しないほうが良い」
といった投稿が多くみられる。
「『新型コロナウイルス感染症』高齢者として気をつけたいポイント」でも、新型コロナウイルス感染症は高齢者や基礎疾患がある人は、感染症が重症化しやすいため、注意するよう促している。
一方で、高齢者がウイルス感染を恐れて外出をあまりに控えた場合にもたらされる健康への悪影響を指摘している。
ずっと家に閉じこもって1日中テレビを見て過ごしたり、人との会話が少ない日が続くと、「生活不活発」によって身体や頭の動きが低下し、歩くことや生活動作が行いにくくなったり、疲れやすくなったりする。すると、加齢により心身が老い衰えた状態を指す「フレイル(虚弱)」が進み、体の回復力や抵抗力が低下し、疲れやすさが改善しにくくなるという。合わせて、インフルエンザなどの感染症が重症化しやすい傾向にあるため、フレイルを予防し、抵抗力を下げないように注意が必要とのことだ。