東京から北陸新幹線で2時間半。加賀百万石の城下町・金沢は風情たっぷりだ。歴史や文化に触れたり、豊かな自然に癒されたり、日本海のカニをはじめとする海鮮や加賀料理、金沢おでんなどグルメを堪能したり、いろいろな楽しみがある。
J-CASTトレンドはこのほど、創業1625年、金沢で最も長い歴史をもつ酒蔵「福光屋」を取材した。
純米酒にこだわり、軽やかな酔い心地
実際の酒造工程を間近に見られる蔵内コースに参加した。福光屋の歴史が分かる映像を鑑賞した後、仕込み水「百年水」に案内され、蔵内を蔵人と一緒に巡る。「もろみを仕込み、麹の酵素と酵母が活発に働く」などと分かりやすく解説してもらいながら、蔵の中を見学できる。
福光屋の醸造工程は24時間、温度管理されていて、酵母を大量に育てる酒母造り。自然と対話しながら櫂入れする。杜氏の酒への愛情が感じられる。
ところどころで試飲をしながら見学した。そして、見学の最後に搾りたての日本酒を味見。無濾過の純米生原酒は青冴えした淡黄色を帯びている。搾りたての日本酒の味は格別だった。できたての酒粕もおいしく、そのままパクパク食べ進んでしまう。
今回はプレス向けに、特別に杜氏の板谷和彦氏が案内してくれたが、一般向けには同じ内容を別の蔵人が案内するコースがある。季節により見学内容も変わるので、ウェブサイト(https://www.fukumitsuya.co.jp/guidedtour/)を確認するとよい。
実は記者はアルコールがさほど強くない。普段は、日本酒ならおちょこに2~3杯でギブアップだ。だが、できたての日本酒と酒粕のおいしさは格別だった。試飲だけでも1日の許容量を過ぎる量だったが、その後、金沢おでんを食べながら、福光屋の熱燗を飲み、チェコ料理屋で福光屋のライスワイン(福光屋が酵母開発、醸造を担当し、ソムリエとコラボ開発した生詰めの純米酒)を飲んでも全く酔わない、そして二日酔いにもならなかった。
福光屋は純米酒にこだわっていて、コメと水だけで造るので、軽やかな酔い心地で楽しめるのだそうだ。