新型コロナの感染リスク「なくはない」ただし...
小林教授は「新型コロナウイルスに限らず」と前置きした上で、水滴のたまったハンドドライヤー内に何らかの病原体が残っていた場合、ドライヤーの風が水分を含む「エアロゾル」を発生させると説明。その至近にいる人間が、汚染されたエアロゾルを吸い込む可能性があるという。
厚生労働省の冊子「新型コロナウイルスを防ぐには」によると、感染には、ウイルスが付いた手で口や鼻を触ることで起こる「接触感染」、感染者のせきやくしゃみから出たウイルスを吸い込む「飛沫感染」の2つ。なお中国衛生当局は20年2月19日の報告で、閉鎖された環境で長時間、高濃度のエアロゾル(サイズが小さく、空中に浮遊する粒子)を浴びた場合に「エアロゾル感染」が起こるリスクを指摘しているが、厚労省はその可能性について言及していない。一方で飛沫感染、接触感染も厚労省が「現時点で」考えられるものとの位置づけで、新型コロナウイルスの感染実態についてはまだ分かっていないことが多いようだ。
小林教授は、ハンドドライヤーから発生するエアロゾルによるウイルス感染の可能性について、
「(エアロゾルを)吸い込んだら、それはリスク。感染するリスクは『なくはない』。ただし、それはドライヤー内が汚染され、なんらかの病原体がいるということが前提です」
と語る。
その上で「ハンドドライヤーは手を乾かす効果は得られるが、副次的にそういうもの(ウイルスなど)が飛び散るリスクもある」として、仮にハンドドライヤーが使える場合でも、ハンカチやハンドタオルで手を拭くことが望ましいとした。
一方、「飛沫感染の恐れ」を使用停止の理由に挙げている事例については「飛沫は口(や鼻)から出てくるもので、(感染者の)外部からは生じない」と、停止理由としては「正しくない」と指摘した。