「やったことは全て無駄にならない」
他社が飼っている犬にも、ツイッター越しに「愛」を炸裂させている。お相手はこんにゃくや、ところ天製造販売を行うマルフク食品(三重県四日市市)の看板犬「ふくまる」だ。
18年8月にツイッターを介して知り合い、「名前と見た目が可愛すぎる」と日々ラブコールを送っている。特に、ニュース映像の再現CGが作れるアプリ「再現CGメーカー」を使い、ふくまるへの想いをコミカルに表現するツイートが話題だ。19年12月には、それまでに作成した再現CGからグランプリを決める「#今日のたなきんさんCG アワード2019」を企画し、投票を募った。そこまで他社に熱を上げ、労力をかけても指摘は入らないのだろうか。
「社長からは『成果上げてるからいいよ』とむしろ褒められます(笑) マルフク食品とふくまるとのやりとりを通じ、当社だけではリーチしにくい『動物好き』ユーザーとの縁ができました。フォロワー増、認知度向上に繋がったのでまさにWin-Winです。特にここ数か月は『ツイッターを見て買った』と商品について呟いてくれる人が増えてきて、ようやく芽が出てきたかなと感じています」
ただ、あくまでも運用しているのは「企業公式アカウント」という意識を忘れず、自分の趣味や嗜好を出し過ぎないよう気をつけているという。実際、再現CGはマルフク食品がふくまるの写真をツイートした時にリプライ欄に投じることがほとんど。バランス感覚を大切に、「カタすぎず、ふざけすぎず」のスタンスで運用していると話す。
「認知度を上げたいのは担当者である『自分』ではありません。かといって商品をPRしようとして広告色を強くし過ぎると、見ている側は面白くない。そこの塩梅が難しく、試行錯誤中です。時間をかけて考えたネタツイートが滑ることもありますが、『タイミングが悪かった』と受け止め、落ち込まないようにしています。発信したものは残るので、何かの拍子に取り上げられて話題になるかもしれません。やったことは全て無駄にならないですから」