休校の子に家で工作、塗り絵楽しんで 北海道博物館「おうちミュージアム」他館とタッグ

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   北海道札幌市にある「北海道博物館」では、2020年3月5日から公式ウェブサイト上で「おうちミュージアム」をオープンしている。

   新型コロナウイルスの感染拡大で休校・休園が続く間、自宅にいる子どもたちが家にあるものを使って楽しく学び、遊べるコンテンツを発信している。北海道博物館は、他の博物館と共にこの取り組みを広げている。

  • 3月6日に公開された「北海道地名しりとり」(画像は北海道博物館提供)
    3月6日に公開された「北海道地名しりとり」(画像は北海道博物館提供)
  • 3月5日に公開された「アイヌ語ブロック」(画像は北海道博物館提供)
    3月5日に公開された「アイヌ語ブロック」(画像は北海道博物館提供)
  • 3月6日に公開された「北海道地名しりとり」(画像は北海道博物館提供)
  • 3月5日に公開された「アイヌ語ブロック」(画像は北海道博物館提供)

複数の博物館が「共通の名称」使いコンテンツ発信

   「おうちミュージアム」は、北海道博物館でこれまで実施したワークショップや、展覧会のイベントで紹介した様々なコンテンツの中から、自宅で出来る工作やゲームなどを掲載している。例えば、江戸時代末期の探検家・松浦武四郎が描いたイラストのぬり絵や、北海道の地名しりとりなどだ。

   サイトには、「ほかの『おうちミュージアム』にも行ってみよう!」という文言のもと、複数の博物館のリンクが張られている。北海道博物館の学芸員・渋谷美月さんに取材すると、こんな答えが返ってきた。

   同博物館で「おうちミュージアム」の企画があがったのは、3月に入ってから。「子どもたちに有意義な時間を過ごしてほしい」という思いからだ。情報収集をしていると、渋谷さんらと同じような思いで、展示物の資料写真などコンテンツを発信する博物館を見つけたという。しかし、個々の博物館が別々に発信していては、大勢にまとまった情報が伝わりにくい。そこで渋谷さんらは、「おうちミュージアム」という共通の名前を掲げ、各博物館の公式サイトやツイッターを通して子どもたちに発信すれば、より多くの人に情報が届くのではないか、と考えた。

   北海道博物館は3月5日、各博物館に、「おうちミュージアム」の名称を使って一緒にコンテンツを配信していかないかと協力を仰いだという。もともと交流があった博物館だけでなく、子どもに向け情報発信をしていた博物館を探して連絡を取ったケースもある。

苫小牧に釧路...17館が参加表明

   渋谷さんによると、3月11日正午時点で、17館が「おうちミュージアム」として情報発信を表明している。

   「苫小牧市美術博物館」(北海道苫小牧市)は、同館公式サイト上で「おうちミュージアム」を実施。3月6日から、植物や土偶などのぬり絵のデータを提供している。

   「釧路市こども遊学館」(北海道釧路市)は、3月5日から少人数でも遊べるプログラムを動画で配信。中には「雪でアイスを作ろう」といった北海道ならではの動画もある。

   「北海道立北方民族博物館」(北海道網走市)は、手作りバターの作り方や、動物の刺しゅうのクリアファイルなど、様々なコンテンツをサイトで公開している。

   コンテンツは、各ミュージアムが考えて発信。17館のうち6館は北海道外の施設だ。関係者などからは「博物館の役割を改めて考えました」、「良い取り組みだと思います」といった声があがっていると渋谷さん。

   北海道博物館には、「こういった取り組みを今回だけではなくて続けてほしいです。普段からいろんな事情で学校に行けない子どもたちにとっても、こういう場所があったら良いのではないか」という内容のメッセージが届いたそうだ。

   渋谷さんは「『おうちミュージアム』は春休み期間中までの予定ですが、せっかくできたコミュニティと集まったアイデアは、別の形でまた展開していけたら良いなと考えています」と話した。

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