「関西電気保安協会」――この言葉を、あなたは普通に音読することができるだろうか。リズムに乗せて読んでしまうなら、立派な「関西人」だ。
電気設備の点検や保安管理業務を行う一般財団法人関西電気保安協会(大阪市)は、2020年3月2日に同協会の公式ユーチューブチャンネルで、ウェブ動画「ある日突然関西人になってしまった男の物語」の0話から2話を公開した。「関西あるある」を詰め込んだ各15秒、全12話からなる連続ショートコメディードラマとなっている。
目を覚ますと「急性の関西人」に
動画では、関西とは縁もゆかりもない主人公の男性、西尾学がある日突然「関西人」になったことで起こるエピソードをユーモラスに描いている。また、関西電気保安協会の実際の職員も、主人公の日常を温かく見守る存在として全話に登場する。
3月2日に公開された0話から2話では、関西に転勤してきた主人公が急に関西人になってしまった様子を収めている。
主人公が街を歩いていると、女性が「関西の方ですか?」と声をかけてくる。転勤でこっちに来た、と答えると「だったらぜひ」と手渡される謎のCD。再生すると、独特なメロディーで「関西電気保安協会」という言葉が延々と流れる。
それを聴いた主人公が翌朝目を覚ますと、なぜか関西弁のツッコミを操る関西人へと変わっていた。そして、動揺する中検査を受けた彼は、「急性の関西人」と診断される。
メロディーが口をつき「普通に言われへん」
ポイントは、動画内に盛り込まれた「関西あるある」だ。
例えば、関西地方で流れているCMには、商品や店名が独特なメロディーで流れ、耳に残るものが多数ある。同協会のCMも、最後に「かんさいーでんきほーあんきょーかい」という独特のメロディーが流れる。これを見慣れた関西人にとって、「関西電気保安協会」をメロディーなしに言うことは非常に難しい。ついメロディーが口をついて出てしまうからだ。
ツイッター上にも「『関西電気保安協会』は普通に言われへん」、「関西電気保安協会って普通に言えないマジック」、「『関西電気保安協会』はリズムに乗らないと言えない」との投稿があるほどだ。
公開された第2話の動画内では、関西地方でCMが放送されている商品や店名をメロディー無しで言えるか、診断される場面がある。主人公はメロディーに乗せて読み上げてしまったため、「急性の関西人」と診断された。
今後配信される第3話以降では、関西に馴染みのない彼女とのギャップや、後輩の登場など、さまざまなドラマが繰り広げられ、物語は意外な結末へと向かうそうだ。