新型コロナウイルスに関連して2020年2月28日、ツイッターのトレンドワード欄には「トイレットペーパー」「ティッシュ」「生理用品」などの語句が並んだ。SNS上に(1)マスクとトイレットペーパーが同じ原料で作られている、(2)日本で売られているもののほとんどが中国製であり、輸入できなくなるため「商品が品切れになる」、とのデマが出回ったためだ。
トイレットペーパーのメーカー各社で作る日本家庭紙工業会は同日、ウェブサイトで、「トイレットペーパー、ティシューペーパーの供給力、在庫は十分にあります」と知らせた。原材料調達や生産を中国に依存しておらず、製品在庫も十分にあり、需要を満たす十分な供給量・在庫を確保しているという。ただ、真に受けてしまった一部の人がドラッグストアなどで商品を買い占めているようだ。生理用品も、その「余波」を受けたのか。
「他の人が困るといけないから」自重する買い物客
「生理用品とか無くなったらマジ困る...デマと言えどもみんなが買い占めて無くなる...ほんとマジやめて...」
「いつもなら潤沢にあるトイレットペーパー、ティッシュ、キッチンタオルがない...紙おむつ(赤ちゃん用と介護用)、生理用品までやや品薄」
2月28日にツイッターに投じられた声の一部だ。記者は同日17時ごろ、東京都内にあるドラッグストアとコンビニエンスストアを巡り、商品の在庫状況を調査した。
まず千代田区のドラッグストア。4軒回ったところ、ティッシュ、トイレットペーパーは3軒で売り切れており、唯一在庫があった小型店でも残りわずかだった。生理用品は全店在庫があったが、銘柄によっては1~2個しか残っていなかったり、売り切れていたりしていた。4軒目に訪れたチェーン店では、記者の目の前で女性2人組が生理用品を複数買おうか悩んでおり、「他の人が困るといけないから、必要な分だけ」と話し合って1点のみカゴに入れていた。
区内のコンビニエンスストアは、8軒回った。ティッシュ、生理用品はどちらも在庫があったが、ティッシュは店舗によっては品薄状態だった。ボックスティッシュは売り切れ、ポケットティッシュのみが残っているという場所も。ある店舗では、ちょうど店員が空になった商品棚にボックスティッシュを補充している最中だった。
空になったトイレットペーパーの商品棚を前にボーゼン
東京・新宿駅近辺のドラッグストア4軒は、ティッシュ、トイレットペーパー、生理用品のいずれも在庫があった。神奈川・相模原市と大和市のスーパーマーケットやドラッグストア5軒では、ティッシュとトイレットペーパーはどこも売り切れていた。生理用品は銘柄によっては売り切れだった。
あるドラッグストアでは、客が空になったトイレットペーパーの商品棚を前に「どうしてこんなにないのか」と店員に質問。「デマの影響です。すぐ入荷します」との答えに困った顔をしていた。