3月2日から全国全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校は、春休みに入るまで臨時休校に――。政府の要請が、大きな波紋を呼んでいる。あくまで要請のため、沖縄県石垣市のように、市内に感染者がいないといった理由などから休校にせず、通常通り授業を行うと発表した自治体がある。
一方で、東京都や宮城県をはじめ、複数の地域が要請に従った。休校となれば当然、期間中の授業は実施されない。学校に通う子を持つ親は、休校の間の学習をどうするだろうか。親たちの声を拾った。
文部科学省「家庭学習を適切に課す等の必要な措置を」
文部科学省は20年2月28日に「新型コロナウイルス感染症対策のための小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休業について」の通知を出した。休校措置を取った場合、教育課程の対応については「児童生徒が授業を十分受けることができないことによって、学習に著しい遅れが生じることのないよう、可能な限り、家庭学習を適切に課す等の必要な措置を講じるなど配慮すること」と述べている。
2月28日放送の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)には、教育評論家の石川幸夫氏が出演。休校となった場合の学習面で生じる問題について「長期間の休みとなると、(生徒の間で)成績の格差が生まれる可能性があります」と指摘。「家庭学習となれば、(勉強が)出来る子と出来ない子の差が余計に出てしまう。それが非常に懸念されるところ」と続けた。
教育現場では混乱が生じている。同日放送の「スッキリ」(日本テレビ系)の取材に応えた千葉県市川市内の小学校校長は、職員が自宅学習のためのプリントを準備するなどし、休校に向けて急遽対応していると説明した。
同日放送の「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系)は、愛知県の公立小学校に勤務する男性教諭に取材。「かなり職員室も混乱している」との話だった。さらに教諭は、「やるべき学習内容が終わっていないというこの状況が一番まずいと思います。授業のコマ数も決まっていますし、各学年でここまで終えるという教科書が配布されていますので、そこをどうクリアするか」と、不安を語った。