政府は2020年2月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国の小・中・高校に3月2日から春休みまでの臨時休校を要請した。
突然の方針に各所で困惑が広がる中、ツイッター上では学校に通う子を持つ親から、学校給食がなくなることへの不安の声が聞かれた。
「栄養バランス考えてご飯作るって考えただけで」
文部科学省が全国の小中学校などを対象に調査し、19年2月26日に発表した「平成30年度学校給食実施状況等調査」によれば、学校給食の実施校は全3万92校。その多くが主食、おかず、ミルクで構成される「完全給食」を実施している。
今回の政府の要請に対しては、大阪市や名古屋市のように休校を決めた自治体があれば、沖縄県石垣市のように「3月2日以降も休校をしない」とする自治体もあり、対応が割れている。それでも多くが休校となれば、こうした完全給食が提供されず、代わりの昼食を用意する親の負担が高まることが予想される。
ツイッター上では、
「給食みたいな栄養がきちんと摂(と)れるメニューなんて作れない」
「栄養バランス考えてご飯作るって考えただけで頭が痛い」
など、代替メニューを考えなければならないという親たちから不安が。
夫婦が共働きなどで子どもの昼食を作るのが難しいという人からは、
「我が家は冷食の出番が増えます」
「レトルト食品を使う機会増えそう」
という声も聞かれている。
栄養教育の専門家は夏休みを例に説明
休校による「無給食」の影響を専門家はどう見ているのだろうか。
児童の栄養教育を専門とする、お茶の水女子大学生活科学部食物栄養学科の赤松利恵教授は、J-CASTトレンドの取材に対し、
「夏休みのように長く給食がない期間もある。休校中の期間だけで、児童の栄養面を心配される必要はないのでは」
と見解を示した。
給食がない期間中、親たちはどんな食事を用意するのが理想なのだろうか。赤松教授は
「カップ麺などではなく、主食、主菜、副菜が整った食事、いわゆる『バランスが整った食事』を用意するのが重要かとは思います」と語る。
その上で、
「立派なメニューを作る必要はないでしょう。普通にご飯を炊いて、納豆のような主菜・たんぱく質源になるもの、野菜を準備できればいい。ご飯を炊ける炊飯器さえあれば、そこまで力んで(メニュー作りを)やらなくても良いのでは、と思います」
とした。