池田大亮が東京五輪で華麗に舞う スケートボードで国を背負う覚悟【特集・目指せ!東京2020】

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悔いのない滑りをして、観客が沸かせたい

――多くのタイトルを獲得し、順風満帆なスケートボード人生ですが、辛かったことはありますか。

池田 小学生の時ですね。皆、放課後は友達とゲームとかして遊ぶじゃないですか。でも自分は、学校が終わったらスケートボードに行くルーティンでした。もちろん、スケートボードは好きでやっていたので、パーク(ジャンプ台など構造物が設置されているスケートボード場)に行けば、遊びたい欲はなくなる。でも、パークに行くまでは、「あぁゲームして遊びたいな」とか誘惑が頭をチラつくんです。それが一番辛かった。
今は辛いことはありません。たとえばジムで、45秒のRUNで緊張して苦しくならないように有酸素系のトレーニングをやっているのですが、子どもの頃の「遊びたい欲」を我慢していた時に比べたら全然辛くない(笑)。

――東京五輪に対する思いと、どのようなプレーを見せたいかを教えてください。

池田 まだイメージは出来ていないです。今まで国を背負って代表として大会に臨んだことがないので、どのような気持ちになるのかな......。でも、結果は分かりませんが、悔いのない滑りをして、観客が沸かせたいですね。
自分のスケートボードは、階段を飛んだり、高く飛んだりが結構多いので、派手さはあると思います。あとは、メイク率(技を成功させる確率)の高さも強みなので、人と違う技をみせたり、すごい技にもチャレンジします。

――多くのタイトルをとっている池田選手には、メダルへの期待が高まると思います。メダルをとるために必要なことはありますか。

池田 「この技なら、これくらいのポイントになるな」とか予想出来るのは自分の強みです。なので、(引き出しを多くするために)今のうちから新しい技に取り組んでいます。
スケーターは、一度ミスがあると、立て直すのは難しい。そのミスを減らすことも意識しています。メンタルが強くなれば、ミスは起こりにくくなる。ではメンタルを強くするためには、となると、メイク率を高めることだと思います。「一か八か」で臨むと不安じゃないですか。そうではなくて、メイク率を高めて、自信を持った状態で東京五輪に臨みたいと思います。

池田大亮(いけだ・だいすけ)
2000年8月4日生まれ。あらゆるテラインで並々ならぬスキルを魅せるニュージェネレーション。2018年「Tampa Am」優勝、19年「JAPAN OPEN STREET CONTEST」優勝をはじめ、国内はもちろん海外のコンテストでも好成績を残す。東京五輪を見据えスキルを磨き続けている。クリスタルガイザー・ムラサキスポーツ所属。

文:石井紘人(いしい・はやと)
ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。
著作に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)、プロデュース作品に久保竜彦が出演した『弾丸シュートを蹴る方法』(JVD)がある。
『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「静寂から熱狂そしてリスペクト」などを寄稿。
株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作した『審判』の版元でもある。

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