カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。2020年初めてのGIがやってきたよ。フェブラリーステークス(2月23日、東京競馬場、ダート1600メートル)。カス丸の今年の目標は、爺よりもたくさん当てることだじぇい。まずはこのレースをものにするきゃすう。
カスヨ カス丸、今年も頑張るのよ。バンバン当てなさい。
カス丸 分かってるじぇい。カスヨ姉さんには昨年勝ったから、目標はもっと大きく持つじぇい。
カスヨ カス丸、競馬はね、当たった数じゃないのよ。当てた後に戻ってくる金額なのよ、大事なのは。分かってる?わたしみたいに穴狙いは、当たった数は少ないけど、戻りが大きいから、爺よりも稼いでいるのよ。
横綱格がいないGIレース
ガジュマル爺 カネ、カネ、カネ...... ちまちましたことを大きな声で言うもんじゃないわい。一生懸命に走る馬たちに失礼じゃ。もっと馬に敬意を表して予想するもんじゃ、競馬は。わかったかのう、カス丸。
カス丸 分かってるじぇい。それで今回、爺が最も敬意を表したのはアルクトスきゃすう?
ガジュマル爺 そうじゃ。わしの本命◎じゃ。この馬は東京ダートのマイル(1600メートル)が強いんじゃ。これまで東京では5勝、うち4勝がダートのマイルじゃ。それに先行できる脚質じゃから、おそらく1番人気になるインティが逃げた後につけて、最後は負かすことができるじゃろ。
カス丸 カスヨさんの本命はデルマルーヴルだよ。
カスヨ そうよ。今年のフェブラリーSはね、横綱格がいないのよ。昨秋のチャンピオンズカップ(GI、中京、ダ1800メートル)を勝ったクリソベリルと2着のゴールドドリーム、それに4着のチュウワウィザードの3頭は、3月のドバイやサウジアラビアでのレースに参戦するため、今回出ないのよね。となるとレースレベルも下がるんだけど、混戦必至だわね。そこで、このデルマの登場となるわけ。まずはこのレースは前走よりも距離が短縮される馬が好成績をあげているのよね。つまり前走が1800メートル以上のレースを走っていること。それと4、5歳が活躍する傾向があるのよね。あとは先行できる脚質であること。デルマはこれらの条件を全部クリアしてるのよ。それに鞍上はミルコちゃん(ミルコ・デムーロ騎手)よ。昨年は調子がなかなか上がらなかったけど、年が明けてからは結構、活躍しだしたわ。かつてのデムーロに戻りつつあるわね。ということで横綱がいない場所を一気に突き抜けること間違いなしよ。
カス丸 爺の対抗〇は、モズアスコットだよ。前走の根岸ステークス(GIII、東京、1400メートル)では圧勝だったじぇい。
ガジュマル爺 そのとおりなんじゃ。初めてダートコースを走ったんじゃが、さすが芝のGI馬(2018年の安田記念覇者)じゃ。逃げたコパノキッキングをあっという間に抜き去ったのは鮮やかじゃった。東京のダートコースは実力どおりで決まりやすいんじゃが、見事じゃった。今回もこのレベルのレースじゃから、あっさり勝ってもおかしくないということじゃ。
カス丸 カスヨさんの対抗はヴェンジェンスだよ。そんなに強いきゃすう?
カスヨ こっちも前走が1800メートルを走って2着だったから距離短縮組ね。東京ではあまり使われてないんだけど、デビュー2戦目で1400メートルに使われて3着よ。同じ左回りの中京でも、2回走って3着が1回という成績ね。非常に得意というわけでもないけど、まあまあね。基本的に末脚がしっかりしているから間違いなく上位にくるわよ。それと鞍上の幸(みゆき)英明騎手はダートが得意だから心強いわよ。