新型コロナウイルスによる肺炎の感染が深刻化している現在は、インフルエンザの流行時期とも重なっている。厚生労働省は感染症をうつさないよう、咳・くしゃみをする際にマスクやハンカチを使って口や鼻を押さえる「咳エチケット」を推奨している。
ツイッターを見ると咳やくしゃみ、発熱に対して神経質になっている人が多くいるようだ。「マスクしないで咳ゲホゲホしてる人見るとビクッってなってしまう」、「電車の中でマスクしないで、くしゃみ&咳する人多すぎ...」、「近くの席の人が熱があって昨日、早退したのに今日出社してきて、熱あるけどインフルは陰性だった~とか言ってるけど。それほんとに信じていいの!?大丈夫?」といった投稿が数多くある。
インフルでも出社してきた人「いた」が4割超え
では、具合が悪いことを自覚しながら外出、出社する人はどのくらいいるのだろうか。医療法人社団SEC新宿駅前クリニックが2020年2月14日、「2020:仕事とインフルエンザの認識調査」の結果を公開した。有効回答は200人(女性106人、男性92人、それ以外2人)。
まず、「インフルエンザかもしれないと感じた際に出社しますか?」という問いに対して、約3割が「症状が酷くない場合」などの条件付きで出社すると回答した。
続いて、「インフルエンザでも出社してくる人はいましたか?またそれはどの立場の人ですか?」。43%が「いた」と回答した。立場は、社長(経営者)4人、上司・先輩59人、同僚45人、後輩21人、その他12人とさまざまだった。
「マスクを重ねてつければうつさない」と謎理論
調査結果には、発症していながら出社した職場の人を迷惑に感じたというコメントが数多くあった。以下は、その一部だ。
「社長が『マスクを2枚か3枚重ねてつければインフルエンザを他人にうつすことはない』と出勤していた。(30代、女性)」
「熱っぽいというので後輩を病院に行かせたら、インフルエンザでした!と会社に帰ってきて報告してきた。うつしてしまうという認識が無いと思った。(30代、女性)」
「納品前に、『休めないから』とインフルエンザにかかったディレクターが出社し、大勢の人が感染して欠勤者が続出。結果、納品も間に合わなくなってしまった。(30代、女性)」
「上司が仕事中に受診してインフルエンザの診断を受けたのに、残務をずっとしていて、なかなか帰宅しなかった。(50代、女性)」
同クリニックの蓮池林太郎院長は発表資料の中で、インフルエンザにかかった場合は「職場や人混みに行かないようにしましょう」、発病後の出社のタイミングについては「病状により異なりますので医師の判断を仰ぎましょう」と呼びかけた。
なお、調査は20年1月15日~16日にインターネット上で行われた。