初期対応のスピードが分けた明暗
3:症状と潜伏期
発熱(87.9%)、咳(67.7%)が最も典型的な症状。ただし病院での最初の診察時に発熱していた人は43.8%しかいなかった。下痢(3.7%)とおう吐(5.0%)は少ない。
患者の25.2%は高血圧などの基礎疾患が認められた。
潜伏期間は平均3.0日。最短は0日、最長24日だった。
4.その他
入院時に肺のCT(コンピューター断層撮影)検査を受けた840人の患者のうち、肺炎の症状があったのは76.4%だった。また、患者の82.1%はリンパ細胞の減少が、36.2%は血小板の減少が認められた。また、33.7%の患者に白血球細胞の減少が認められた。
入院時の症状として一番多かったのは肺炎(79.1%)で、急性呼吸系疾患(3.37%)、ショック(1.00%)だった。
また、中国各地の致死状況について、「広東省では患者は多く出たが、早期隔離、早期診断の予防が効果を発揮し、死者が少なく済んだ」と考察、初期対応がその後に大きな影響を与えることが示唆されている。広東省では2月10日15時現在、感染者は1151人に上っているが、死者は1人にとどまっている。一方で武漢市は、感染者1万6902人に対し死者681人だ。
鐘南山氏は2月9日までの中国メディアの取材に対し、「新型肺炎の致死率は、季節性インフルエンザよりは高いが、SARSよりはかなり低い」とも述べている。
(ライター・浦上早苗)