「今もカンボジア人で、これからもカンボジア人」
――リオ大会から4年が経ちますが、カンボジアのマラソン界に変化は感じますか。
猫 僕と同時期に走っていた選手がコーチになったり、下の世代の若手が少しずつ育ってきて、いい記録を出していますね。彼ら(若手)はもちろんライバルですが、僕が日本で練習しているのを見て「その練習方法でやりたい」という選手もいました。それを実践した選手が速くなっていったのは、仲間として嬉しかったですね。
――ご自身の変化についてもうかがいます。現在42歳、肉体の衰えを感じることはありますか。
猫 トイレが近くなりましたね。ひどい時は夜3回くらいトイレに行きます」
――(笑)競技面での変化はないですか。
猫 あっ、競技面ですか(笑)。やっぱり疲れは取れにくくなりましたね。以前は仕事が終わった後に40キロ走をやっていたんですが、そういうのはやめました。今はキチッと休んで、キチッと走って、キチッと食べて、というスタイルです。
――生まれ育った国・日本での五輪開催をどう思いますか。
猫 「ついに来たな」という感じですね。僕の育った国ですから。2013年に開催が決まったときは、IOC(国際オリンピック委員会)の誰かが俺のことを調べてるんじゃないかと思いました(笑)。
――もし東京五輪に出られるなら、日本代表として出たいという思いはありますか。
猫 それは考えたことがないですね。今もカンボジア人で、これからもカンボジア人。国籍の変更を受け入れてもらったからには、カンボジア人として出ることしか考えていません。
――最後に、東京五輪に向けた意気込みをお願いします。
猫 まずは3月1日の東京マラソンで自己ベストを出すことが目標です。そこで結果を出せば、その先の五輪代表も見えてくるかもしれないので、笑顔でゴールできるよう「猫まっしぐら」で頑張ります。