新型コロナウイルスに関して、厚生労働省は公式サイトで「風邪やインフルエンザと同様に、まずは咳エチケットや手洗い等の感染症対策を行うことが重要」と説明している。
そのため、手洗い・うがいを念入りにする人が増えているようだ。記者は立ち寄った駅の公衆トイレで、手洗いを二度している女性を見かけた。しかし手拭きがなかったのか、女性は洗ったばかりの濡れた手で髪をすきながら出ていってしまった。これで、手を洗った効果はあるのだろうか。
濡れたままにしておくと雑菌つきやすく
その答えが花王の公式サイト内「手あらいのヒミツ大百科」ページにあった。「手洗いが台無し!洗いっぱなしの手で、髪のスタイリングはNG!」と、かなり強い表現で注意を促している。その理由は以下の通りだ。
「洗った手を拭かずに、そのまま髪の毛をスタイリング...トイレなどでよく見かける光景、あなたも心あたりない?実は、髪の毛にも雑菌はいっぱい。濡れた手で髪を触っていたら、せっかくの手洗いが、ムダになっちゃうよ。手を洗った後は清潔なタオルなどで拭いて、しっかり乾かそうね」
なお、手を洗った後に拭くものがなく自然乾燥させるのも厳禁だ。同ページには「手を濡れたままにしておくと、雑菌がつきやすくなってしまうよ。それでは、せっかく洗っても台無しだね」とある。
ではいったい、何を使って手を拭くのが望ましいか。
タオルの共用は避けて
日本食品洗浄剤衛生協会(食洗協)は公式サイトで「使い捨てのペーパータオル、ロールタオルで、水気を十分にふき取る」ことを推奨している。通常のタオルを多人数で使用することは好ましくない。その理由は、「ある人が洗浄を十分行わずにタオルを使いますと、タオルに細菌が付着し、後で使用する人の手を細菌で汚すことになる」ためだ。
紙製造・紙加工販売の大富士製紙(愛媛県四国中央市)も公式サイトで「手洗いは感染予防にとても有効な手段だが、その後の手の拭きとり方に問題がある」としてタオルの共用問題を指摘している。初めは清潔でも、使用したタオルを湿ったまま放っておくと雑菌・細菌の温床になってしまう。そのタオルで新たに人が手を拭くと菌が人へ、さらに人から人へと感染が広がる...ということだ。
まとめると、手洗いによる感染防止効果を高めるには、洗った後に自然乾燥させずしっかりと拭くことが重要だ。また一度拭いて濡れたタオルには雑菌がつきやすくなるため、使い捨てのペーパータオルを利用するのがよい。外出時は、携帯できるものを持ち歩くとよさそうだ。