2020年は新型コロナウイルスによる新型肺炎が話題を席巻しているが、インフルエンザの流行状況はどのようか。
国立感染症研究所が2020年1月29日に発表した情報によると、今年第4週(1月20~26日)の間に全国の医療機関を受診した患者数の推計は約65万4000人。一方、米国ではインフルエンザシーズンとなる2019年10月1日~20年1月25日の期間、死者数が1万人以上と推定されている。
前年同期比で大幅減も「警報レベル」150か所
日本国内では、最新データとなる第4週のインフルエンザ患者数の推計が、前週の約63万4000人より増加しているが、19年の同時期(1月21~27日)の推計患者数222万6000人と比べて大幅に減少している。
実は、昨シーズンは過去最悪レベルの大流行だった。前年同期の1医療機関当たりのインフルエンザ患者数は平均57.09人。厚生労働省が調査を開始した1999年以来、最多を記録するほどだったことを、J-CASTトレンドは19年2月4日に公開した記事「インフルエンザ『過去20年で最多』の患者数 うがい、手洗い、マスク...さらなる対策は」で紹介している。
今年第4週(1月20~26日)の1医療機関当たりのインフルエンザ患者数は、平均18.00人。国立感染症研究所が公開しているデータをさかのぼって過去10年間の同時期の数字を比べると、「10年第4週(1月25日~1月31日)6.46人」に次いで少ない。それでも、全国で警報レベルを超えている保健所地域は150か所(44都道府県)あり、油断はできない。
状況が深刻なのは、米国だ。米疾病対策センター(CDC)の公式サイトによると今シーズンは、1月25日までに少なくとも患者数1900万人、入院患者数18万人、死者数1万人に上っている。またインフルエンザ関連の小児の死者数が、これまで68人に達している。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐうえで有効とされる手洗い・うがいなどの基本的な対策は、インフルエンザにも効果がある。マスクの着用を含めて徹底し、予防に努める必要がある。