2025年に大阪市此花区の人工島・夢洲で行われる「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。その運営にあたる2025年日本国際博覧会協会が2020年1月31日、「TEAM EXPO 2025」の活動方針説明会をTKP東京駅大手町カンファレンスセンターで開催した。
同プロジェクトは大阪・関西万博の大きな柱の一つとなる。様々な企業や大学、自治体、社会起業家などが垣根を越えてお互いの強みを出し合い、共創することでSDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を目指す内容だ。説明会では、2025年日本国際博覧会協会事務総長の石毛博行氏が大阪・関西万博の概要説明のほか、プロジェクトパートナーとして取り組みを推進する7社の代表者と共に、今後の具体的な活動方針を明かした。
社会課題の解決を目指し、5年間でプロジェクトを推進
大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、コンセプトは「未来社会の実験場」だ。石毛氏によると、その万博において「TEAM EXPO 2025」は「SDGs甲子園構想」というビジョンを掲げて活動していく。国内外問わず、社会変革を引き起こす優れた人材が集い、SDGs達成を目指して手掛けてきた共創事業や取り組み結果を発表する場を大阪・関西万博内で生み出す。中でも特に優れた成果につながった活動は「BEST PRACTICES」として表彰する制度も設ける予定だ。
同協会と、包括連携協定を締結した7社は具体的な共創事業プロジェクトを立ち上げて今年4月ごろから参画メンバーを広く募集し、万博までの5年間で各自事業を展開していく。協定を結んだのは、地方創生事業を手掛ける「Next Commons Lab」、ソーシャル経済メディア「NewsPicks Studios」、経営コンサルティング会社「リンクアンドモチベーション」、クラウドファンディングサービス運営会社「Makuake」など、「TEAM EXPO 2025」が掲げる「共創を生み出すための3つの事業領域」である(1)発掘・育成、(2)支援、(3)情報発信、の分野で活動している企業・団体だ。
説明会では、現時点で構想中のプロジェクト内容について各企業・団体の代表者がプレゼンテーションを行った。Next Commons Labファウンダーの林篤志氏は大阪・関西万博までの5年間をかけ、「ソーシャルイノベーションラボプロジェクト」を推し進めたいと語る。個人・企業・自治体などが社会をよりよくするための「実験」を行う場所を日本各地に100か所設けて、そこで生み出した仕組みを各地に広げ社会を変えていくプロジェクトだ。
Makuakeを運用するマクアケ社の共同創業者・取締役の坊垣佳奈氏は「消費活動を通じて世の中を変えたい」と意気込みを語った。クラウドファンディングサイト内に「TEAM EXPO 2025」特設ページを設け、社会課題の解決に取り組むプロジェクトやSDGsの指標に合致するプロジェクトを募集。掲載するだけでなく、誕生した「モノ」を大阪・関西万博の展示エリアで披露する。坊垣氏は、
「お金を払うことを通じて万博までの5年間、プロジェクトを応援あるいはそこに参画してもらい、モノの完成に向けた経過進ちょくを見守る取り組みを形にしたい」
と述べた。