新型コロナウイルスによる肺炎にインフルエンザ、さらに花粉症。これらの対策にと、マスクを求める人が後を絶たない。日本国内でも、商品の値上がりや売り切れ、転売騒動など使い捨てマスクの不足に関するニュースが連日報じられている。
2019年12月27日に発売した「ナノプラチナデイマスク」は、洗濯して何度も清潔に使える。ウイルス・花粉対策、肌の保湿用の高機能マスクだ。製造元の縫製メーカー・ジーンスレッド(佐賀県)に取材した。
「中国の知人に贈りたい」一度に50個の注文
ナノプラチナデイマスクは、外側に大手紡織メーカー・クラボウが開発した抗菌・抗ウイルス機能のある生地「クレンゼ」、芯材には呼吸を邪魔しない柔らかな「メッシュ」、内側には保湿機能に優れた生地「ナノプラチナAD」を使用している。ジーンスレッドの森本さんは「しっとりとした付け心地。社員たちも勤務中ずっとつけているが、息苦しさはないようです」と語る。
クレンゼは、口腔内の治療や洗浄時に使う消毒薬をベースに開発された固定化抗菌成分「Etak(イータック)」を繊維の表面に強力に固定し、抗菌・抗ウイルス機能を持たせたもので、病院で白衣などにも使用される生地だ。クラボウの公式サイトによるとインフルエンザウイルスはじめ、RSウイルス、アデノウイルスといったウイルス、各種細菌・真菌にも効果が認められている。これらウイルスなどが、繊維に固定化されたEtakに接触すると不活化されるため、体内に取り込まれる絶対数を減少させる効果を期待できる。
価格は税込6800円とマスクにしては少々高額かもしれないが、洗って繰り返し長く使える利点がある。特にマスクが品薄で入手困難な時には有用で、環境にも優しい。50回ほどまでなら洗濯しても劣化することはないそうだ。装着の際はアジャスター付きゴムを自分のサイズに調節して後頭部か首の後ろに回し、薄型のバックルでカチッと止めるので、耳にかけなくて済む。マスクを長時間つけたままでいると耳が痛くなってしまう人にはうれしい。
ただ、マスク需要の高まりで現在は在庫切れの状態。洗い替えも含めて4枚セットを買っていく人が多いほか、「中国の知人に贈りたい」と一気に50個注文してきた人もいたそうだ。森本さんは「1つ1つマスクを丁寧に作っているため、大量生産は難しいが、1週間後には注文を受け付けられるようにしたい」と語った。