デジタルアート展「ETERNAL~千秒の清寂」が羽田空港で、2020年2月7日まで開催中だ。日本の重要文化からのインスピレーションと、「時の概念」をテーマに、「千秒の清寂という時空」を表現した4つのデジタル作品を展示している。
アート展は、文化庁による、訪日観光客に日本文化の魅力を伝える取り組みの一環だ。1月31日、報道関係者を対象にトークショーと内覧会が行われ、制作に携わったクリエイターらが出席して作品について語った。
「時」は中立で誰もが持っている概念
まず、クリエイターらによるトークショーが行われた。
プロデュースを手掛けた、芸術文化活動団体「MUTEK.JP」の竹川潤一さんはコンセプトについて、「『時』というのは中立で、どなたでも持っている概念だと思います」と説明。また、「重要文化」として認められるにも時間は必要で、文化形成において重要な要素と考え、展示のキーワードにしたと明かした。
「伝承、紋、円、自然の美」をテーマに、自然が描く輪郭をモチーフにした映像作品「Moment in Composition」。大小様々な「正円」が登場し、自然の美しさと調和を感じさせる。円が波や地形などの風景に重なったとき、自然の法則性が潜んでいるという「感覚」を表現した作品だ。着物に家紋を描く「紋章上繪師」の波戸場承龍さんと波戸場耀次さんが模様を描き、メディアアーティストの瀬賀誠一さんがそれをデジタルに応用した。
瀬賀さんは「紋章上繪師のお二人が見ている世界を僕なりに想像して解釈していきました」とコメント。耀次さんは、出来上がった作品を見て「鳥肌が立ちました」と語った。