「人類滅亡まで残り100秒」の衝撃宣言 「終末時計」は誰が動かしているのか

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   人類滅亡を「午前0時」に見立て、それまでの残り時間を表すシンボル「終末時計(Doomsday Clock)」が2020年1月24日、ツイッターのトレンドワード入りした。米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ(原子力科学者会報)」が1月23日に米ワシントンで記者会見を行い、終末まで残り時間が過去最も短い「1分40秒」だと発表したためだ。

   ツイッターには終末時計に関するさまざま賛否が投じられているほか、終末時計に対する素朴な疑問を持つ人も。「そもそも誰が動かしてるの」、「終末時計ってなに怖いんだけど」といった具合だ。その正体に迫ってみた。

  • 「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」公式サイトの「Doomsday Clock」ページ
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1947年は残り7分、2020年に初めて「秒単位」に

   「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」の公式サイトによると、週末時計が作成されたのは1947年。人類の最大の危機は核兵器によるものであり、「特に米国およびソビエト連邦が核軍拡競争に向かう」という見通しから誕生した。以来全27回にわたって時刻が発表されている。

   47年当時の終末までの残り時間は7分で、最も猶予があったのはソ連が崩壊して冷戦が終結した91年の17分。1年ごとに残り時間が発表されるようになった2015年~19年は2分~3分の間を推移していたが、今年、史上初めて「秒数」で表現されるまでに。その主な原因は世界が「核戦争と気候変動という2つの脅威に同時に直面していること」と説明がある。

   では、誰が残り時間を決めているのか。初期は化学・生物物理学者のユージン・ラビノウィッチ氏が、世界のさまざまな地域の政府内外の科学者や専門家と議論した結果に基づいて決定していた。同氏が73年に亡くなった後は、核技術や気候科学に学識の深い専門家や科学者で構成される「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」の科学・安全保障理事会が役割を引き継いだ。年に2回開かれる会議で世界の出来事について話し合い、必要に応じて時計を「リセット」してきた。

   また公式サイトには「終末時計は予測ツールでも、将来を予想するものでもない」との記述がある。それまでに起きた出来事や既存の傾向を調査し、可能な限り多くの数値や統計データを追い、各国の指導者や市民による危機回避のための種々の努力を考慮し、できる限り多くの兆候や状況について熟慮を重ねながら、「仮に指導者や市民が状況改善のために何の行動も起こさなかった場合にどうなるか」という点で判断をするという。終末時計はさながら「診断を下す医師のよう」と例えている。

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