川商フーズ(本社:東京)のロングセラー商品「ノザキのコンビーフ」。「枕缶」と呼ばれる、付属の「巻き取り鍵」で回しながら開ける容器が特徴だが、2020年3月16日のリニューアルで「シール蓋」を使った新容器に変更される。
長く親しまれてきた「枕缶」の消滅に、インターネット上で惜しむ声があがっているが、消費者にとっては他にも見過ごせない変更点がある。
グラム単価は4.1円→4.9円、メーカーの説明は
これまでの「ノザキのコンビーフ」は内容量100グラムで希望小売価格410円だったが、リニューアル後は内容量が80グラムに減少し、価格は395円に。価格だけ見ると15円の値下げだが、グラム単価は4.1円から約4.9円に上昇している。
川商フーズは内容量を減らすことについて、20年1月15日のニュースリリースで「(内容量100グラムは)量が多すぎるという意見が多くありました。現在の家族構成や食事シーン等を考慮し、使い切りやすい80グラムへ変更いたします」
とアナウンスしている。
一方、川商フーズによる「ノザキのコンビ―フ」の公式ツイッターアカウントは同日に、
「原材料や加工賃・物流費が大幅に上昇している中で、このような価格設定となりました」
とグラム単価上昇の理由を説明した。
「原料の肉だけで価格が決まっているわけでは...」
J-CASTトレンドは川商フーズの広報担当者に取材。改めて容量を減らす背景を聞くと、
「日本の家族形態は、昔は一家族に5~6人だったのが近年は核家族化が進み、料理を作る量自体が減少した家庭にとっては100グラムが『多い』と感じる家庭もあったようです。そうした意見を踏まえて容量を80グラムにし、グラムに合う(新しいコンビーフの)規格を作りました」
と答えた。
一方、グラム単価の上昇については、
「グラムを決めた後『いくらで売るか』となったとき、原材料費・加工費・物流費が大幅に上昇していることを踏まえ、結果としてグラム単価を上げる形になりました」
と説明。また、
「原料の肉だけでコンビーフの価格が決まっているわけではなく、値上げをしたかったから80グラムに減らしたということではございません」
と強調した。