池袋駅だけど...いつもと違うホームに到着
埼京線車両の「品川行き」のように、通常のダイヤならあり得ない行き先が突如生まれるケースの類似例がある。
2013年に西武池袋線(以下、西武線)・東武東上線(以下、東武線)との相互直通運転を開始した東急東横線(以下、東急線)がその典型例だ。東急線は普段、東京メトロ副都心線を通る形で西武線や東武線に直通している。しかし、いずれかの路線でダイヤが乱れた際には、西武線内にいる東急の車両が東急線への直通運転を取りやめ、西武線の「池袋行き」として運行するようなケースが発生するのだ。池袋駅では普段、東急線の車両は地下にある副都心線のホームから発着しているが、この場合は地上にある西武線のホームに到着するという点で「レアケース」となる。
その東急線は2022年度を目途に、新たに相鉄線との直通運転を開始する予定だ。埼京線とつながる相鉄線が東横線とつながり、東横線の先には東武線や西武線がつながる、まさに迷路のような路線網が誕生しようとしている。路線同士の乗り入れが増えるほど、ダイヤが乱れた際の影響は多路線に及ぶことになる。今後は普段のダイヤならあり得ない行き先を目にする機会が増えていくかもしれない。