パラ6大会連続出場の鉄人 車いすテニス・齋田悟司が挑む限界突破【特集・目指せ!東京2020】

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   車いすテニスは、見る者の闘争本能をかきたてる。

   あるテニスプレーヤーは、車いすが倒れながらもボールに食らいつき、すぐに起き上がる姿を見て、淡泊になりがちだったラリーで粘れるようになったと語っていた。

   障害者がテニスをしているのではなく、車いすテニスというスポーツがあるのだ。

   そんな激しい車いすテニスの先駆者として走り続ける、齋田悟司選手(シグマクシス)。

   47歳となった現在も、東京パラリンピック出場に向けたトレーニングと試合の日々を過ごしている。(インタビュアー:石井紘人 @ targma_fbrj)

  • 東京パラリンピックを目指す齋田選手
    東京パラリンピックを目指す齋田選手
  • インタビュー中は柔らかい表情で応じてくれた
    インタビュー中は柔らかい表情で応じてくれた
  • プレーは力強い
    プレーは力強い
  • 東京パラリンピックを目指す齋田選手
  • インタビュー中は柔らかい表情で応じてくれた
  • プレーは力強い

「アテネで金メダル」表彰式が一番嬉しかった

――齋田選手はパラリンピックに、1996年のアトランタから2016年のリオまで6大会連続出場されています。その中でも特に印象に残っているエピソードを教えてください。

齋田 やはり男子ダブルスで国枝慎吾選手と組んで金メダルを取った、2004年のアテネ大会です。その中でも準決勝ですね。オーストラリアのペアとの対戦だったのですが、一時は相手にマッチポイントを握られ、あと1ポイントで負ける状態になりました。でも、そこから逆転して決勝に進めたのが印象的です。年齢的にも車いすテニス選手のピークである32歳でしたし。

――嬉しかったエピソードはいかがでしょうか。

齋田 アテネ大会の表彰式で金メダルをかけてもらった時が一番です。私は、試合前日の夜は、睡眠薬を飲まないと寝られないんです。体は凄く疲れていて寝たいのですが、次の日の試合について「こうきたら、こうしよう」と考え出すと頭の中がぐるぐる回って、興奮して寝られない。常に緊張の連続です。試合に勝っても、「やっと終わった」とホッとするのが最初の感情です。なので、メダルセレモニー辺りから嬉しさがこみあげてきます。

文:石井紘人(いしい・はやと)
ラジオやテレビでスポーツ解説を行う。主に運動生理学の批評を専門とする。
著作に『足指をまげるだけで腰痛は治る』(ぴあ)『足ゆび力』(ガイドワークス)、プロデュース作品に久保竜彦が出演した『弾丸シュートを蹴る方法』(JVD)がある。
『TokyoNHK2020』サイトでも一年間に渡り、パラリンピックスポーツの取材を行い、「静寂から熱狂そしてリスペクト」などを寄稿。
株式会社ダブルインフィニティ代表取締役でもあり、JFA協力、Jリーグと制作した『審判』の版元でもある。

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