飲食店の情報を検索し、予約する際に役立つ「グルメサイト」。国内の大手サイトには「食べログ」や「ぐるなび」、「ホットペッパーグルメ」などがあり、店舗の基本情報だけでなく、来店客によるレビュー、評価点数なども掲載され、他ユーザーの体験を参考にできる。
そのグルメサイトにまつわる「消費者意識調査」結果を、飲食店に予約・顧客管理システムの開発・提供を行うTableCheck(テーブルチェック、東京都中央区)が2020年1月6日に公表した。全国の20~60代男女1112人と、飲食店に勤務する全国の20~50代男女588人が対象だ。「評価・信頼度」というキーワードを軸に、両者の視点から利用実態に迫っている。
利用する理由は「便利」「簡単」
まず「グルメサイトでの点数・ランキング表示の信頼度」について調べた。最多回答は「信頼はしているが、あくまでも情報源の1つである(56%)」、次点が「あまり信頼していない(21%)」、「飲食店選びの基準になっている(12%)」だ。
なかでもテーブルチェックは、「信頼していない(「あまり信頼していない」、「まったく信頼していない」の合計)が26%を占め、グルメサイトを飲食店選びの基準にしている人の割合を大きく上回っていることに注目。同社は発表資料の中で、グルメサイトについて「昨今評価基準や表示順位などが、飲食店が支払う広告掲載料と連動しており、信ぴょう性にかけるのではないか、とSNSを中心に騒がれるようになった」と指摘している。
もっとも利用するグルメサイトはどこか。1112人のうち877人に単一回答で尋ねた結果、約半数にあたる48%が「食べログ」を挙げた。2位は同じ23%ずつで「ぐるなび」「ホットペッパー」だ。「食べログ」を頻繁に利用する理由として、「便利だから」「簡単だから」という意見が目立った。
ユーザー評価は店の売り上げに影響しているか
グルメサイトに情報を掲載し、ユーザーから評価を受ける飲食店側はその影響力をどう受け止めているのか。グルメサイトのユーザー評価の信頼度に関しては、「評価は間違っている者が多いと思う(8.7%)」、「評価は信用していない(23.1%)」が合わせて31.8%、さらに「評価はあまり気にしていない(37.8%)」まで含めると、「評価を信用していない・気にしていない」派は69.6%にのぼる。一方「評価を信用・正しいと思う」派は、「評価を参考にしている(25.0%)」、「評価は正しいと思う(3.6%)」だった。
グルメサイトにおけるユーザー評価が実際の店舗売り上げに影響していると感じているか、回答を募った。結果は、「影響している(「とても影響している(8.0%)」「多少影響している(33.2%)」の合計)」が4割強、「影響していない(影響していない(10.9%)」「あまり影響していない(10.5%)」)」が2割強、「どちらともいえない(37.4%)」だった。テーブルチェックは「飲食店にとって信ぴょう性の低い情報が、まだまだユーザーへの影響力を及ぼしている状況が浮き彫りになったといえる」としている。