パグは見た目や仕草がおじさん
――一方、イヌやネコは相変わらずの人気です。なばたさんが20年に注目しているイヌやネコはいますか?
なばた ずばり「イヌタウロス」ですね!
――聞いたことがない動物ですが......。
なばた 僕が19年12月4日に発売した新作の漫画絵本「犬闘士イヌタウロス」に登場する、イヌと人を掛け合わせたような体をもつ架空の生き物です。単純に「カッコいい!」と思って描いたのですが、読者の反応を見ると「キモカッコいい」ジャンルのようです(笑) 。
――どんなところが魅力ですか。
なばた 何せイヌと人が混ざった生き物なので、人のような知能や言語を持ちつつも、イヌとしての本能(サガ)をどうしても忘れられないところでしょうか(笑) 。例えば主人公の「パグオス」はパグのイヌタウロスで、「犬闘士(けんとうし)」という強い戦士を目指して過酷な修行に挑む10歳の少年なのですが...鍛錬の中でボールを投げられるとつい追いかけてしまったり、穴を掘っておやつを隠そうとしてしまったり、「イヌ」であるがゆえの弱点克服に苦心するお茶目なシーンがあります。
――さまざまなイヌがいますが、なぜパグを主人公に?
なばた 僕がパグを飼っていて、パグ好きだからです(笑)。あまりイヌっぽくないというか、見た目や仕草がおじさんのように見えることがあるのがかわいくて。
――ちなみに、実在するイヌやネコで、今年イチオシを教えてください。
なばた もはや定番の犬種なので見過ごしがちですが、ブルドッグです。ブサイクなのにカッコいいという、パグにはない迫力と魅力があります。 ネコなら「スフィンクス」ですね。現在のモフモフブームとは真逆に位置するシワシワの毛がないネコなんです。名前といい、見た目といい気高そうでいて、どことなくはかなさもあり、カッコよくて好きです。モフモフではなく、シワシワも今後の動物のトレンドになるかも(笑)。
なばたとしたか
1977年、石川県生まれ。イラストレーター。2002年に開催された「GEISAI-3」で毎日新聞スカウト賞受賞後、書籍の挿絵や雑誌の連載などを手がける。絵本「こびとづかん」シリーズは、累計270万部超。19年12月に「こびとづかん」シリーズ以外には12年ぶりに新作絵本「犬闘士イヌタウロス」を発表した。
キャラクターデザインや造形制作、各種企画制作に携わるなど、幅広く活動中。