3歳が今年も勝つ可能性
カスヨ リスグラシューは去年10月の府中牝馬ステークス以来、7戦して馬券をはずしてないわ。なによりここ2戦がすごいのよ。6月の春のグランプリ、宝塚記念(GI、阪神、2200メートル)では、それまでの戦法と違って2番手でレースを進め、最後は2着のキセキに3馬身差もつけての圧勝。前走、10月のオーストラリアでのコックスプレートでは初の海外GI制覇よ。このときは、後方から最後のコーナーを大外に回し、直線が200メートル足らずというトリッキーなコースであっという間に馬群を置き去りにして優勝。本当に力をつけてきたわ。ハーツクライの仔は晩成型といわれるけど、いま5歳でこんなに強くなるなんて誰も想像してなかったと思うわ。さすが、ハーツの仔というにふさわしい成長ぶりよ。海外帰りといっても、秋2戦目だから、疲れはないはずよ。
カス丸 アーモンドアイを捨てた爺は、本命がワールドプレミアだよ。大穴狙いきゃすう?
ガジュマル爺 有馬記念は過去10年で3歳がなんと半分の5勝をあげとるんじゃ。なぜ3歳が勝てるかというと、この時期になると3歳といっても古馬(4歳以上)と同じくらいの力量をもつほどに成長しとるんじゃ。それと背負う斤量が古馬より2キロも軽いんじゃ。同じ力の馬がいて、片方が2キロも負担が軽いんじゃ、普通に走れば軽いほうが圧倒的に有利じゃ。ワールドプレミアは今年の菊花賞(GI、京都、3000メートル)の優勝馬。去年の有馬記念を3歳で制覇したブラストワンピースは、菊花賞で4着じゃった。菊花賞と有馬記念は距離が違うが、スタミナが必要ということで連動しとるんじゃ。つまり、菊花賞で好走した馬は有馬記念も好走する傾向があるわけじゃ。今年は菊花賞の優勝馬が出てくるんじゃから、去年のブラストワンピースよりも強い、と判断してもいいわけじゃ。
カス丸 ふーん、3歳はそんなに強いきゃすう?爺はこの間、今年の3歳はレベルが低いと言っていたじぇい。それなのに対抗〇も3歳のサートゥルナーリアきゃすう。なんで?
ガジュマル爺 うおほん、それはカス丸の空耳じゃな。わしは覚えておらん。ともかく有馬記念は3歳が有利なんじゃ。サートゥルナーリアは菊花賞のトライアルレース・神戸新聞杯(GII、阪神、2400メートル)でワールドプレミアとヴェロックスに圧勝したんじゃ。ところが、菊花賞に出ておらん。陣営が距離を心配したといわれておるんじゃが、わしの見るところ、出ておれば圧勝したじゃろ。父はロードカナロアでアーモンドアイと同じ。ロードカナロアはたしかに短距離に強かった馬じゃが、母が日米の両オークスを勝ったシーザリオで、その父が菊花賞2着のスペシャルウィークじゃ。長距離も大丈夫なはずじゃ。ともかくサートゥルナーリアは中山競馬場が大得意。2戦2勝。しかも、皐月賞とホープフルステークス、つまりGIばかりじゃ。今回は枠も5枠10番でアーモンドアイの隣じゃ。アーモンドを見ながらレースができるぞ。
カス丸 カスヨさんの対抗はレイデオロだよ。去年、2着だったからきゃすう?
カスヨ 有馬記念はリピーターが多いレースなのね。わたしの記憶に残っているのは1990年代に走ったナイスネイチャね。3年連続3着よ。ここ10年をみるとキタサンブラックが3、2、1着。ゴールドシップが1、3、3着。ブエナビスタが2年連続2着。トゥザグローリーなんかは2年連続3着だったけど、人気は14、9番人気だったわ。今年参戦しているメンバーではレイデオロが昨年2着、シュヴァルグランが昨年、一昨年と連続3着ね。シュヴァルグランは一番外枠の16番に入ってしまったのと、もう7歳だから馬券になるのは厳しいけど、レイデオロは最近調子がいまいちとはいえ、来る可能性が十分よ。調教も元気いっぱいだし、不安はないわね。
カス丸 GI馬が11頭もいると、伏兵がたくさんいるじぇい。穴狙いのカスヨさんはなに?