占い専門誌として学研(当時「学習研究社」)が発売し、1996年に休刊した「エルフィン」。それから20年以上の時が経った19年12月9日、世界各国の超常現象を追いかける専門誌「月刊ムー」(学研プラス)の別冊として復活した。
12月13日、エルフィン発売記念イベントが東京都品川区の学研本社ビルで開かれた。同誌編集部ほか、心理学研究家の鏡リュウジさんや占星家のエミール・シェラザードさんをはじめとした数十人の占い師が集い、エルフィンの新たな門出を祝った。
鏡リュウジ「スキー場のリフトに乗り損ねて...」
記者が会場に足を踏み入れると、「エルフィン」ほか学研書籍や、参加占い師らがタロットカードや装飾具、おみくじなどを展示・販売するブースが複数設けられ、活気ある交流の場となっていた。特別講師によるトークイベントも企画され、鏡さんが占星術に関するミニ講座を行ったほか、「エルフィン」の思い出と題し、休刊前の同誌に寄稿していた当時の懐かしいエピソードを明かした。
「学研の方が八方尾根へスキー旅行に連れて行ってくれた時のことです。スキーなんてほとんどやったためしがなかったのですが、リフトに乗る寸前で『ストックは膝上に乗せる』と教えられたことを思い出し、その通りにしようとしたら乗り損ねて、ぶら下がる形になってしまったんです。途中で『これ以上、上に行ったら危ない』と判断し、わざと手を離して落ちたら足下の新雪に埋もれてしまい...サイレンは鳴るわ、リフトは止まるわで大騒ぎ(笑) 今でも忘れられない思い出です」
鏡さんがこう話すと、会場から笑いが起きた。
東洋占術家の大石眞行さんや超常現象研究家の秋山眞人さんも駆け付け、3人で降霊術や心霊術に用いられる「ウィジャボード」を使って「エルフィンの今後」と「占い業界の未来」を占った。ボードが示したのは「V(ブイ)」「6」「I(アイ)」の3文字。「VはVictoryの頭文字ではないか」、「6年後に何かが起こる?」など考察が飛び交い、答えの出ない問いに参加者全員が楽しそうに考えを巡らせていた。
「こう『ぼうっと』ね、見えてくるんですよ」
記者は、50年以上のキャリアを持つ天童春樹さんに占ってもらった。顔のパーツの配置、形などから性格や人生を割り出す「人相術」の第一人者として知られる。おそるおそるあいさつをすると「どうぞ」とにこやかに向かいの席をすすめてくれた。天童さんは記者に年齢と家族構成を聞き、爛々とした目で手指や顔をじっと見てまず一言。
「お父さん、足元に気を付けた方がいい。転倒して怪我をするかもしれない」
早速ドキッとした。記者には50代後半の父親がいるが、2週間ほど前に会社で転倒し、咄嗟に手をつけずに額を擦りむく怪我をしたばかり。以来、足腰の衰えを気にしているのだ。
驚く記者に天童さんは「顔の左側を見せてほしい」と話す。言われるまま顔の向きを変えると、突然「最近車を買い換えた?」と問われた。怖い..."ヒント"になるようなパーソナルデータは何も明かしていないのになぜわかるのか。確かに、数か月前に買い換えたばかりだ。
「パンクに注意してね。あとは車の前の部分に黒い影のようなものが見える。人をはねないよう、事故には十分気を付けて」
どうやら天童さんは記者を通じ、記者宅の車を見ているようだ。本当に顔のパーツの配置や形から、そんなことがわかるのかと尋ねると天童さんは真剣な眼差しのまま、微笑んだ。
「こう『ぼうっと』ね、見えてくるんですよ。じっと眺めていると」