「インフルエンザで学級閉鎖」防ぐ 全国の小中学校に広がる「除菌剤で拭き取り」

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   近年、冬になると猛威を振るうインフルエンザ。厚生労働省健康局によると、例年11月下旬から流行し始め、1月下旬から2月上旬にピークを迎える。流行に伴って、毎年多くの学校では学級閉鎖や休校が起きている。2017年から18年のシーズンは、全国3万9343校で学級閉鎖が発生し、事態が深刻化した。

   富士フイルム(東京都港区)では、インフルエンザによる学級閉鎖を1クラスでも減らすことを目標に、学校内での環境消毒を習慣化する「いちにちひとふき除菌」活動を提唱。今日、全国の小・中学校33校が実施している。

  • 「いちにちひとふき除菌」
    「いちにちひとふき除菌」
  • 「Hydro Ag+」のアルコールクロス
    「Hydro Ag+」のアルコールクロス
  • 「いちにちひとふき除菌」
  • 「Hydro Ag+」のアルコールクロス

「いちにちひとふき除菌」実施全校で学級閉鎖ゼロ

   「いちにちひとふき除菌」は、アルコールと銀系の材料を組み合わせた除菌剤「Hydro Ag+」を使った「アルコールクロス」と「アルコールスプレー」を用いて消毒活動を行う取り組みだ。千駄ヶ谷インターナショナルクリニック院長の篠塚規氏によると、「Hydro Ag+」は銀イオンの成分によって、一般的なアルコール消毒に比べて除菌効果が長時間持続するという。

   消毒では、教室内の机回りや教卓、ドアの取っ手、階段の手すりなど、不特定多数の人が触れるところを、1日1回または1週間に1回以上拭き取る。

   18年11月1日から19年3月31日の期間で、神奈川県内の12の公立中学校が「いちにちひとふき除菌」活動を3~5か月間行った結果、12校全てでインフルエンザによる学級閉鎖が発生しなかった。

学校で多い「接触感染」に注意

   今シーズンは異例の早さでインフルエンザが流行しているようだ。厚生労働省健康局の調査では、2019年9月16日から22日までの1週間で、全国約5000の医療機関から報告された患者数は5716人に上っている。前年同期の報告数は668人で、比較すると今年は約8.5倍と急増していることがわかる。中には9月から学級閉鎖になっている学校もあった。

   前出の篠塚院長は、インフルエンザの感染経路として学校ではとくに、インフルエンザの子どもが咳で自分の机に菌をばらまき、その机を触った他の子どもがさらに他の子どもに菌をうつす「接触感染」が多いと説明する。

   手洗い・うがいの徹底やマスクの着用だけでなく、接触感染を防ぐためにドアノブや手すり、テーブルなど身の回りの除菌もしっかりと行い、対策に努めたい。

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