牛乳イラスト描き食料問題考える 第7回「牛乳ヒーロー&ヒロインコンクール」表彰式

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   生乳生産者などでつくる業界団体「Jミルク」は2019年12月7日、「第7回牛乳ヒーロー&ヒロインコンクール」表彰式を東京・千代田区の学士会館で行った。

   全国の小学生に、牛乳をヒーローやヒロインとして表現したイラストを描いて応募してもらうコンクール。絵を描く過程で世界の食料問題へ関心を持ってもらい、「食べ物を大切に思う気持ち」を育むことを目的としている。

  • 第7回牛乳ヒーロー&ヒロインコンクール表彰式
    第7回牛乳ヒーロー&ヒロインコンクール表彰式
  • 農林水産省の相田剛伸氏、農林水産大臣賞を受賞した金澤怜也さん(左から)
    農林水産省の相田剛伸氏、農林水産大臣賞を受賞した金澤怜也さん(左から)
  • 最優秀賞の「ミルコックくん」と「レス牛」(左から)
    最優秀賞の「ミルコックくん」と「レス牛」(左から)
  • FAO駐日連絡事務所所長のンブリ・チャールズ・ボリコ氏
    FAO駐日連絡事務所所長のンブリ・チャールズ・ボリコ氏
  • 第7回牛乳ヒーロー&ヒロインコンクール表彰式
  • 農林水産省の相田剛伸氏、農林水産大臣賞を受賞した金澤怜也さん(左から)
  • 最優秀賞の「ミルコックくん」と「レス牛」(左から)
  • FAO駐日連絡事務所所長のンブリ・チャールズ・ボリコ氏

最優秀作描いた小学生は以前「牛乳が飲めなかった」

   7回目の開催となる今年は応募期間の6月~9月にかけて、2万8736点の作品が集まった。審査で選ばれた個人賞の上位9作品と、応募作品数が多かった小学校5校が団体賞として表彰された。

   最優秀賞にあたる農林水産大臣賞は、低学年部門に渡邊結太さん(高知市立はりまや橋小学校)作の「ミルコックくん」が、高学年部門に金澤怜也さん(石川町立石川小学校)作の「レス牛(ぎゅう)」が選ばれた。

   「ミルコックくん」は、コックに扮した牛が、ケーキやパン、シチューといった料理を作る姿を描いている。作者の渡邊さんは以前「牛乳が飲めなかった」というが、自身が好きなシチューに牛乳が使われていることに気づき、「牛乳を使ってみんなが大好きなものを作ってくれるヒーロー」を描いたという。

   「レス牛」は、牛乳パックを背負ったレスキュー隊姿の牛のヒーローだ。名前は「レスキュー」と「牛(ぎゅう)」をかけたもので、作者の金澤さんによれば「体調が悪い人がいると急いで駆けつけ、牛乳を飲ませて健康にしてくれる」のだという。

   その他の受賞者は以下の通り。

◇独立行政法人農畜産業振興機構理事長賞
杉本葵さん(相馬市立八幡小学校)、作品名「ミルボーン」
◇公益社団法人全国学校栄養士協議会会長賞
島田鈴さん(川越市立古谷小学校)、作品名「にゅうたん」
◇酪農家特別賞
宮下了さん(会津美里町立高田小学校)、作品名「ミルぞうこ」
◇牛乳工場特別賞
山根愛怜さん(朝日塾小学校)、作品名「牛乳配達のミールちゃん」
◇牛乳販売店特別賞
青柴生さん(草津市立笠縫小学校)、作品名「ニュウカルくん」
◇まちの牛乳特別賞
花田琴実さん(伊豆市立修善寺小学校)、作品名「ドクターこつみる」
◇Jミルク会長賞
湯浅直也さん(伯耆町立岸本小学校)、作品名「アサモー・ヒルモ―・バンモー」
◇FAO駐日連絡事務所 団体特別賞
八王子市立みなみ野君田小学校
◇団体賞
愛知教育大学附属岡崎小学校・春日井市立高座小学校・千葉市立幸町第三小学校・松江市立乃木小学校

「考えてみてください。自分に何ができるのか」

   コンクールでは、応募作品1点につき50円をFAO(国連食糧農業機関)の「FAO飢餓撲滅草の根募金」に寄付しており、今年は143万6800円に上った。 出席したFAO駐日連絡事務所のンブリ・チャールズ・ボリコ所長は、自身のスピーチで「たくさんの寄付をいただきましたこと、本当にありがとうございます」と流ちょうな日本語で感謝した。

   ボリコ氏はスピーチ中に世界の食料問題についても触れた。現在世界では8億2100万人以上の人々が、食べ物がなく苦しんでいる一方で、日本では1日一人あたりお茶碗一杯分の食べ物を無駄にしていると指摘。

「これだけの量の食べ物を捨てるということは、(食べ物を)作るために使った水や土地など、農家の人々の仕事もすべてゴミ箱に捨てるようなものです」

と日本のフードロス問題に警鐘を鳴らした。

   FAOでは2030年に飢えで苦しむ人をゼロにするための「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」を掲げている。ボリコ氏は、コンクールを通じて牛乳について考えることが、飢餓や肥満など食べ物の問題を考えることにもつながるとし、

「考えてみてください。自分に何ができるのか。家族、お友達などと話し合ったり、行動に移してみてください」

と呼びかけた。

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