アンコールもセレモニーもない
二日目は全てが一変した。これまでに2001年と今年とNHKBSで二回放送されていた「イエローマジックショー」の第三弾。ステージの進行は若手漫才のナイツ。幕が開いた舞台には芝居の書割のような家族団らんのセット。お父さん(細野晴臣)、お母さん(宮沢りえ)、おじいちゃん(高橋幸宏)、娘(水原希子)、犬(安部勇磨・never young beach)、猫(ハマ・オカモト OKAMOTO'S)。リハ―サルに参加しなかったという細野晴臣のアドリブのギャグを交えた「細野さん談義」が続き、合間に前日のバンドを従えて参加者の歌が入る。映像では星野源が演じる息子も登場した。二部の学園コントには小山田圭吾も参加していた。バラエティーの形を取りながらも坂本龍一が映像で加わったYMOのやりとりと演奏、のど自慢の形を取って登場したLittle Glee Monsterなどの歌も入る。一日目とは打って変わったファミリー・ショー形式。それぞれの扮装のままお得意の"細野ウオーク"でステージを行き来する細野晴臣が誰よりも楽しそうに見えた。
細野晴臣の軌跡は商業的な評価だけでは測れない。音楽的好奇心に突き動かされるままに変わり続けた50年。映画「NO SMOKING」での彼の言葉は「一番大切なのは自由」だった。
お決まりのアンコールもことさらなセレモニーもない。そんなに大げさに騒がなくていいよ。生粋の東京っ子ならではのユーモアとウイットに富んだしめくくりだった。
(タケ)