1961(昭和36)年創業、「チャンカレ」の愛称で親しまれる金沢カレーの元祖・チャンピオンカレー(石川県野々市市)。ステンレス皿に盛りつけられた濃厚なルー、その上に乗ったカツと「キャベツの千切り」の付け合わせが特徴の「Lカツカレー」でおなじみだ。
同社ツイッターの投稿はカレー、カレー、カレー...、いわゆる「飯テロ」、「カレーテロ」のオンパレード。おいしそうな食べ物写真がついたツイートばかりだ。
「レトルトカレー返品」が交流拡大のきっかけに
【チャンピオンカレー(チャンカレ)【公式】】新メニューやレトルトカレーなどの商品紹介、店舗の営業にまつわる告知など、「チャンピオンカレー」の最新情報を発信する。現担当者が2016年11月にアカウントを開設し、現在まで運用中。
ツイッター担当者はメーカー事業部社員として、レトルトカレーやチルドパックの拡大販売業務に携わっている。店舗にはほとんど出ないが、依頼があればキッチンカーで出張販売に出向くこともあるそうだ。
「ツイッターは、クリスマスキャンペーン告知のために開設しました。当時フェイスブックのフォロワーが2000人ほどいたので、そのくらいはいくだろうと思っていましたが、ふたを開けたらフォロワーは230人。現実は厳しいと思いつつ初めは地道に運用し、石川の企業アカウントたちとのコラボキャンペーンを通じて、地元での繋がりやフォロワーを増やしていきました」
その後、石川だけでなく東京の企業公式ツイッターと交流が始まる「転機」が訪れる。18年9月のことだ。取引先から「ダンボールが潰れている」と返品され(写真3)、仕入れ時期が古い品から先に出荷する「先入先出」が賞味期限の問題でできなくなり、行き場をなくした「レトルトカレー中辛40個入」を「ひとり」の企業公式アカウントにプレゼントするキャンペーンを行った。
「中身に影響はなく、ダンボールは『商品を保護する』役目を全うしたと言えます。へこみ自体も小さかったので、なぜ返品されたのかわからず、もったいないと思いました。そこでどうせなら『フードロス問題』を提起・拡散したいと考えてキャンペーンに仕立てたのです。そんなとき、投稿を見たTwitter Japanの担当者から『カレーを弊社でもらい受けて、ツイッター担当者が集まる会を企画したい』と提案を受けました」
2か月後の18年11月、ツイッター担当者がチャンピオンカレーを食べながら交流を図る会「チャンカレミートアップ」が都内で行われた。この会をきっかけに、東京で活動する多くの企業公式との縁に恵まれ、コラボキャンペーンなどでフォロワー数や認知を拡大していったという。