ファンタジーの世界観が詰まったカフェが誕生した。2019年11月22日に再オープンした東京・渋谷のファッションビル「渋谷パルコ」にある「ティフォニウム・カフェ」だ。
カフェの目玉は、AR(拡張現実)とスイーツを組み合わせた、視覚でも楽しめる「魔法パフェ」。J-CASTトレンドの記者は、11月25日にカフェを取材した。
コースターにタブレットかざすとCGのキャラが
中に入ると、紫色を基調とした店内には、幻想的な雰囲気が漂っていた。黄昏時にだけ現れる幻の「トワイライト・サーカス」がコンセプトだ。取材した平日の夕方、店内は来店客でにぎわっていた。
「魔法パフェ」は5種類あり、名前も「ピエロ」や「サーカス」など、カフェのコンセプトを感じさせるものばかりだ。記者は、一番人気のブルーベリーと赤ブドウのパフェ「トワイライト」(1200円/税別)をチョイスした。
まず、注文したパフェに合わせたコースターとタブレット型端末が配られた。タブレットで写真撮影モードをタップしてカメラを起動させ、コースターにかざすと、画面上にCG(コンピューターグラフィックス)のキャラクターが登場した。現れたのは、クマやペンギンなど、「トワイライト・サーカス」のオリジナルキャラで、コースターの上にカラフルな仮想のパフェを作ってくれた。画面上で動き回るキャラクターを撮影し、自分のスマホに送ることもできる。待ち時間も楽しめる仕掛けだ。
いよいよ、パフェが運ばれてきた。コースターに乗った状態でタブレットをもう一度かざすと、コースターだけの時とは違ったCGが出現。実物の周りをサーカスの仲間たちが飛び跳ねたり歩き回ったり、まさに魔法がかかったパフェに変身する。画面に夢中になって、溶けないように要注意だ。
さっそく、パフェを一口。ブルーベリーのクリームは濃厚なのに酸味があって甘すぎない。ムースやマカロン、ビスケット、赤ブドウも入っていて、食感が変化するので最後まで飽きずに楽しめた。
タロット占いでVR体験も
カフェをプロデュースしたのは、ARやVR(仮想現実)を用いた施設の企画・運営を手掛ける「ティフォン」(本社・東京)だ。同社代表・深澤研さんの「甘いもの好き」が、スイーツとAR技術を組み合わせたきっかけとなった。
「魔法パフェ」以外にも、楽しい仕掛けが多い。例えば、深澤さんが描いたクマなどのキャラクターがデザインされたAR仕様のチョコレート「ティフォニウム・チョコレート」(1箱1000円/税別)。チョコレートに描かれたQRコードをスマートフォンのカメラで読み取ると、専用サイトに飛び、「Thank You」や「Happy Birthday」といったメッセージのCGがスマホの画面上に現れる仕組みだ。もちろん本物なので、食べられる。チョコは4種類あり、それぞれに異なるメッセージが用意され、お土産に買って帰る人も多いという。同社プロデューサーの中澤匠さんは、今後このキャラクターたちを生かした商品展開も考えていると話した。
VR技術を用いた占いアトラクション「タロットVR」(1人プレイ800円/税込)も、面白い。ヘッドホンとVRゴーグルを装着し、椅子に座ると目の前に「タロットルーム」が映し出された。手に持ったコントローラーでカードを1枚選ぶと、そのカードのモチーフをイメージした映像が広がる。記者が選んだカードは「THE WORLD」で、空中を浮遊する乗り物に乗って、まるで世界中を旅しているかのような気分になった。今回初めてVRを体験したが、難しい操作は一切なく、気軽に楽しめた。
日常から少し外れた不思議な世界が、「ティフォニウム・カフェ」には広がっていた。