白菜の黒い斑点「汚れ、カビじゃない」 ではいったい...その意外な正体

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   鍋がおいしいこの季節、食材として欠かせない存在なのが、白菜だ。だが店頭で買おうと手に取ったとき「黒い斑点」に気づき、思わず棚に戻してしまったことはないだろうか。

   ツイッター上では、こうした白菜の黒い斑点は「汚れ」や「カビ」ではない、と注意を呼びかけた漬物店のツイートが話題を呼んでいる。

  • 白菜の黒斑点の正体(画像は丸越アピタ名古屋南店さん提供)
    白菜の黒斑点の正体(画像は丸越アピタ名古屋南店さん提供)
  • 白菜の黒斑点の正体(画像は丸越アピタ名古屋南店さん提供)

窒素過多で起こる「ゴマ症」食べるのに問題なし

   注目を集めたのは、名古屋市の漬物店・丸越アピタ名古屋南店が2019年11月24日に投稿したツイートだ。黒い斑点のついた白菜の漬物の画像をアップロードし、

「これ、汚れとかカビとかじゃなく実は『ポリフェノール』が表面化したもの。お漬物屋さんや八百屋さんで見かけたら『お、ポリフェノールが沢山あるな!』と思ってください」

と説明している。

   ツイートは11月26日18時30分時点で約3.3万リツイートされ、

「カビだと思ってその部分を削ぎ落として白菜を鍋の具にしていました」
「病気なのかと思ってた。これで気兼ねなく食べられる」

といった反応が寄せられた。

   そもそも、白菜の黒い斑点はなぜ出来るのだろうか。独立行政法人農畜産業振興機構(本部:東京)が手がける野菜のデータベースサイト「ベジ探」の情報によれば、黒い斑点は栄養の素となる「窒素」を過剰吸収することで起こる「ゴマ症」によるものだという。

   白菜の細胞内では窒素過多になると、細胞内外の窒素濃度の差を減らすため水分を吸収しようとし、やがて細胞の膨張を引き起こす。それにより細胞にストレスがかかると、ブドウや紅茶にも含まれるポリフェノール類の色素の合成が進み、白菜の表面に黒い点が現れるとの説明だ。

   こうしたゴマ症によるポリフェノールの色素の合成反応は、ブドウの色素や紅茶の生成と同じ過程で起こるため「普通に食べるには問題はない」としている。

購入避ける客に「害なし」と説明しているが...

「黒斑点を知らない方は『虫食い』『病気』『汚れ』などを口に出し、(購入を)避ける場合は多々あります」

   J-CASTトレンドの取材に対しこう語ったのは、ツイートを投稿した漬物店・丸越アピタ名古屋南店の担当者だ。

   実際に店頭で白菜の黒い斑点を見て購入を避けようとする客に対しては「身体への害がないこと」を説明しているというが、

   「対面販売ではない袋物を売る売り場では、(黒い斑点がある白菜は)売れ残る場合も多々見受けられます」と事情を語った。

   その一方で「農家さんが一生懸命生産したモノを製造工程ではねられて、商品化できない原料も多いです」とも。生産段階から黒い斑点のある白菜が選別されるケースもあり、「もったいないですよね」と心情を吐露した。

   最後に、今回のツイートに込めた思いを聞いた。

「僕らもおいしいモノをおいしく食べてもらいたいですから。工場製品ではない、日本の旬を楽しんでもらいたいですからね」
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