カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。先週のマイルチャンピオンシップは珍しくカスヨ姉さんが△◎〇で三連複を当てたじぇい。爺は◎△△で3連単的中、絶好調だよ。今週は日本が世界に誇る国際レース、ジャパンカップ(2019年11月24日、東京競馬場、芝2400メートル)だじぇい。でも、外国馬が1頭も出ないきゃすう。こんなことで日本は大丈夫?
カスヨ そうなのよ。今年で39回目にして初めてのことね。コースの作り方が日本独特になってしまって、ガラパゴス化ね。芝が軽くて、スピードがどんどん出るから、欧州なんかの重い芝コースを走っている馬は日本では勝てないのよ。これじゃ、いくら賞金が高くても誰も来なくなるのは当然だわ。JRA(日本中央競馬会)もこれからどうするのかしらね。
騎手は世界トップクラス勢ぞろいの豪華メンバー
ガジュマル爺 たしかに外国から馬は来ないが、騎手は世界オールスターじゃ。こんなに世界トップクラスの騎手がそろうのは滅多にないぞ。今年は馬より騎手を見る年じゃな。まずはランフランコ・デットーリ。凱旋門賞で昨年、一昨年とエネイブルにまたがって連覇を果たしたレジェンドじゃ。そして世界トップクラスのライアン・ムーアにクリストフ・スミヨン。英国のリーディングジョッキーで若手ナンバーワンのオイシン・マーフィー。ドバイの王族、モハメド閣下が管理する競走馬管理団体ゴドルフィンの主戦騎手、ウィリアム・ビュイック。そしてクリストフ・ルメールもミルコ・デムーロも参戦するという超豪華メンバーじゃ。わしは第1回のジャパンカップから毎年レースを見とるんじゃが、おそらく今年が馬のレベルでは史上最低。しかし騎手のレベルは史上最高クラスじゃな。そこでわしの本命◎じゃが、当然外国人騎手じゃ。ベルギー生まれのスミヨン騎手が手綱を取るシュヴァルグランじゃ。この馬は一昨年の優勝馬。去年は僅差の4着。3年前は3着とめっぽうジャパンカップに強いんじゃ。7歳というのは確かに気にはなるが、7歳で馬券になっておる馬はトーセンジョーダンとかジャガーメイルとか、いないわけではないんじゃ。それになにより、今年のこのメンツなら優勝も十分あるじゃろ。ジャパンカップに強いハーツクライの仔は歳をとっても活躍するし、実際、調教の様子をみておっても元気十分じゃわい。
カス丸 爺の対抗〇はワグネリアンきゃすう?日本人騎手だよ。
ガジュマル爺 まあ、全部が全部、外国人というわけにはいかんじゃろ。今年は3頭のダービー馬(マカヒキ、レイデオロ、ワグネリアン)が出ておる。ジャパンカップとダービーは同じコースを使うわけじゃから、本来はこの3頭の争いになるはずなんじゃが、いずれも調子がいまいちじゃ。このなかでは一番若いワグネリアンじゃ。秋の天皇賞で5着というのが、気に食わんのじゃが、位置取りが後ろすぎたのと外を回りすぎたせいじゃろ。今度は2番枠じゃから、ダービーの時のように前につけてラチ(柵)沿いに最短コースをとれば、可能性は出てくるはずじゃ。
カス丸 カスヨさんの本命◎はカレンブーケドールだよ。3歳牝馬だけど大丈夫きゃすう?
カスヨ 実績馬の調子がいまいちとなると、若くてイキのいい馬に目がいくわ。過去10年をみると、ジャパンカップでは牝馬が6勝なのね。つまり牡馬(男馬)よりも成績がいいのよ。しかも、去年のアーモンドアイのように3歳牝馬も勝ってるわ。もちろん、カレンブーケドールとアーモンドアイでは実力が違うけど、今年のメンツなら十分勝てる可能性があるわね。カレンはジャパンカップと舞台が同じオークス(GI)でタイム差なしの2着よ。この時の2分22秒8という記録は、去年のアーモンドアイのレコード記録を例外とすれば、1、2を争う速さだから十二分に通用するわね。しかも先行できる脚質のうえに、1枠1番の最内に入ったから最短コースで走ることができるわ。斤量は53キロで古馬(4歳以上)の牡馬より4キロも軽いのは大きいメリット。またとないチャンスだわ。