総合人材サービスのパーソルキャリア(本社:東京)が運営する転職情報サイト「doda(デューダ)」は、NPO、NGOなど社会課題の解決が目的の組織「ソーシャルセクター」で働きたいビジネスパーソン1051人を対象に実施したアンケートを実施、2019年11月8日に結果を発表した。
回答者は「生きがいを感じられそう」や「社会の役に立ちたい」という理由からソーシャルセクターで働くことを望んだ一方で、転職による「収入減」への懸念が目立った。
転職条件は「収入増」半数が望む
ソーシャルセクターで働きたい理由を聞いた質問では「生きがいを感じる(感じられそうだ)から」が最多の54.7%で、「社会の役に立ちたいから」が44.7%、「視野を広げたいから」が30.2%で続いた。
希望する労働形態は「社員・職員」が44.1%とトップだったが、「副業」(28%)、ボランティア」(22.6%)、自分の専門知識やスキルを生かして無償で社会貢献活動を行う「プロボノ」(5%)のように、多様な働き方を望む回答もあった。
一方で、現にソーシャルセクターで働いていない理由を聞くと、「収入面で不安があるから」が全体の50.4%。また、ソーシャルセクターへの転職時の収入条件として「収入が減っても良い」と答えた人は全体の12.1%にすぎず、反対に全体の50.2%が「現職からの増加」を、ほか3割が「現状維持」を望む結果となった。
この結果について、doda編集長の大浦征也さんは報道資料の中で、
「多くの人が社会課題解決を仕事にすることに関心を持つ世の中になりながらも、収入面という現実的な制約条件で自分らしく働くことに躊躇(ちゅうちょ)している」
と分析。その一方で、
「世界的にみると、(ソーシャルセクター)職員が能力に応じた報酬をもらうことができる、もらってもいいという社会的合意が形成されつつある」
といい、日本でもソーシャルセクターへの給与について社会の理解が進むことで、就職希望者にとっての「自分らしく働ける社会」が実現していくと語った。
調査はソーシャルセクターで働きたい20~49歳のビジネスパーソン1051人を対象に2019年10月15日~10月21日、インターネット上で行った。