カス丸 はーい、ぼくカス丸きゃすう。今年の秋は調子がいいじぇい。この間の天皇賞は爺が◎△▲で三連単、カス丸は〇◎で馬連を当てたきゃすう。今週は牝馬のチャンプを決めるエリザベス女王杯(2019年11月10日、京都競馬場、芝2200メートル)だよ。で、今年は荒れ模様なの?
カスヨ 女王を決めるといっても、現役最強といわれてるアーモンドアイが出ないし、去年勝ったリスグラシューも海外遠征中、海外GIを勝ったディアドラも日本にいないわ。だから今回は超一流馬ぬきの女王決定戦ね。ちょっと寂しいけど、見方を変えれば荒れる可能性十分。まあ、穴狙いのわたしの出番というところかしら。
スピードとスタミナがあるのは...
カス丸 カスヨ姉さんの本命◎はスカーレットカラーだよ。そんなに大穴でもないきゃすう。
カスヨ いちいちチャチャをいれなくてもいいのよ、カス丸。スカーレットカラーはね、このレースの前哨戦、府中牝馬ステークス(GII、東京、1800メートル)で優勝したのよ。ほぼ一番後ろからゴボウ抜きで見事な勝利だったわね。エリザベス女王杯は差し馬の優勝が多いのよ。だからこの馬の末脚は期待できるわね。ただ、京都は東京に比べて直線が短いから、最終コーナーでは少し前にいる必要があるけどね。
ガジュマル爺 カスヨの穴馬といっても、人気馬の一角じゃから、本当の穴馬とはいえないんじゃ。わしの本命はクロコスミアじゃ。昨年も一昨年も出ておるが、いずれも9番人気じゃ。ところが、2回とも2着に来ておる。これぞ本当の穴馬じゃな。今回も人気はないじゃろうが、このコースはこの馬にぴったしなんじゃ。レースがある京都競馬場はスタートで300メートルほど直線コースを走るから隊列が決まりやすく、あまりペースは上がらんのじゃ。向こう正面で坂を上って行くんじゃが、第3コーナーを回ったあたりで急な下り坂になり、あとはゴールまで平らなんじゃ。この下り坂からゴールまでが4ハロン(800メートル)。桜花賞やオークスといったクラシックレースは、残り3ハロン足らずのスピード勝負が多いんじゃが、ここは4ハロン勝負なんじゃ。となると、スピードだけではダメでスタミナも必要になるということじゃな。この両方を持っている馬がクロコスミアなんじゃ。
カス丸 爺の対抗〇はサトノガーネットだじぇい。こっちも大穴だよ。
ガジュマル爺 今回は、穴狙いというものをカスヨに教えとるんじゃ。サトノガーネットはここ2戦さえないんじゃが、その前は函館と阪神で厳しい競馬をして2連勝じゃ。京都が得意なディープインパクトの仔で、母系はノーザンダンサー系じゃから、スタミナとスピードを兼ね備えておる。超一級が参戦しておらん今回は、こういう伏兵が要注意なんじゃ。
カスヨ 大本命ばっかしの爺にしてはトンデモ穴狙いね。でも、ムリがありすぎだわ。確かに、このレースはリピーターが多いんだけど、クロコスミアが3回も来るっていうのは、まあないわね。何よりもう6歳よ。爺よりははるかに若いけど、6歳が馬券になったのは10年前のテイエムプリキュア(2着)以来ないのよね。それとサトノガーネットだけど、確かにこのレースは前走がGIかGIIだった馬が馬券になるのが多いんだけど、ガーネットは前走GIIといっても8着よ。つまりクラスが上がると歯が立たないのよね、この馬は。ムリ筋もはなはだしいわ。いつものように、1番人気が予想されるラヴズオンリーユーを素直に本命にしたらいいのに、どうしちゃったのかしら。穴狙いはもうちょっと説得力がないとダメよ。わたしの対抗〇はフロンテアクイーンよ。この馬は府中牝馬Sで2着よ。エリザベス杯はね、府中牝馬組をはずしちゃダメなのよ。フロンテアも本命のスカーレットカラーも騎手が前走と同じ。つまり騎手が継続して乗ってたほうが、このレースではいい結果を残しているのよ。
ラヴズオンリーユーは回復したのか
カス丸 オークス馬のラヴズオンリーユーはダメきゃすう?
カスヨ わたしは無印よ。ラヴズは最初、牝馬三冠目の秋華賞に出る予定だったんだけど、蹄のケガで出られなかったのね。そこが心配なのと、5月のオークス以来のレースとなると間隔が空きすぎて、レース感覚がどうなのかしら不安になるわ。それとさっき爺が言ってたんだけど、オークスというクラシックレースを勝った馬はエリザベス女王杯をなかなか勝てないのよ。過去10年のオークス馬のうち6頭がエリザベス女王杯に出てるんだけど、優勝したのはメイショウマンボだけよ。あの牝馬三冠のアパパネでさえ3着だったんだから。つまりね、400メートルの倍数でない2200メートルという中途半端な距離と京都競馬場特有の下り坂という変なコースのせいなのよ。オークスは最後の直線が長くて広いんだけど、ここで見事に差し切り勝ちをしても、京都では違った能力が必要になるのよ。だからわたしの単穴▲はラッキーライラックよ。2200メートルは走ってないけど、1800メートルというこれまた中途半端な距離で必ず馬券になっているわ。それになによりGI馬。安定度はナンバーワンよ。
ガジュマル爺 わしはラヴズには敬意を表して、押さえ△にするぞ。それと単穴▲はクロノジェネシスじゃ。京都競馬場の秋華賞をきっちり勝ったのが大きいわい。秋華賞は内回りコースで、エリザベスの外回りコースよりも坂からゴールまでの距離は短いんじゃが、似たようなコースを経験して勝ったのは大きい。秋華賞より200メートル伸びて距離の壁を心配する声もあるんじゃが、凱旋門賞(2400メートル)を勝ったバゴの仔じゃから大丈夫じゃろ。
カスヨ わたしの押さえは、サラキアよ。とにかく穴を開けるのは逃げ馬か先行馬。今回、逃げるのはサラキアよ。あとはポンデザールとレッドランディーニ。ポンデは4連勝中。レッドはディープインパクトの仔で、京都が得意ときているわ。
カス丸 うーん、この間の天皇賞に比べると、なんだかレベルが低そうだじぇい。ここは内枠に入って脚をためられる安定感抜群のラッキーライラック本命◎で行くきゃすう。